小学校受験の問題はどんなもの?8分野の出題例と対策
監修: 小学校受験プリント編集部 | 公開 2026年9月20日 | 編集ポリシー
小学校受験の問題は、文字や計算を使いません。まだひらがなを読めない子でも解けるように、すべて絵と口頭の指示で出題されます。そのぶん「何が問われているのか」が大人には見えにくく、はじめてのご家庭ほど、まず全体像がつかめずに戸惑います。
この記事では、小学校受験のペーパーテストで出る問題を8つの分野に分けて、それぞれ何が問われるのか、どこでつまずきやすいのかを解説します。説明だけでは伝わりにくいので、各分野に実際の問題を1問ずつ埋め込みました。お子さまと一緒に、その場でタップして解いてみてください。正解かどうかはその場でわかります。
小学校受験の試験は4つに分かれる
学校によって組み合わせは違いますが、試験は大きく次の4つで構成されます。
ペーパーテストは、机に向かって絵の問題に取り組む筆記試験です。出題は口頭で読み上げられ、子どもは○をつけたり線を引いたりして答えます。多くの学校で合否の土台になる部分です。
行動観察は、初対面の子どもたちと一緒に遊んだり、共同で何かを作ったりする様子を見る試験です。指示を聞けるか、順番を守れるか、負けたときにどうするかといった、生活の中で育つ部分が見られます。
口頭試問は、試験官と一対一で会話する形式です。名前や幼稚園の名前、好きな遊び、絵を見て思ったことなどを、自分の言葉で答えられるかが問われます。
運動テストは、ケンケン・スキップ・模倣体操・ボール運びなどです。運動神経そのものより、指示どおりに動けるか、待つ姿勢を保てるかを見られています。
この記事で扱うのは、このうちペーパーテストの問題です。家庭学習でもっとも積み上げが効く領域であり、無料のプリントで準備できる部分でもあります。
ペーパーテストの8分野
ペーパーテストの出題は、市販の問題集でも幼児教室でも、おおむね次の8分野に整理されています。当サイトでは、この分類のまま586問を無料で公開しています。
| 分野 | 代表的な出題 | 当サイトの問題数 |
|---|---|---|
| 図形・模写 | 同図形発見、重ね図形、回転図形、折り紙の展開、点図形 | 130問以上 |
| 推理 | 系列、四方観察、鏡図形、すごろく、魔法の箱、サイコロ | 100問以上 |
| 数・分割 | 計数、数の分割、一対多対応、積み木、隠れた数 | 60問以上 |
| 比較 | シーソー、長さ比べ、水の量 | 20問以上 |
| 位置・空間 | 方眼上の位置の移動、地図上の移動 | 20問以上 |
| 言葉 | しりとり、音の数、ものの数え方、仲間はずれ、昔話 | 80問以上 |
| 季節・常識 | 季節の行事と自然、生活マナー、食べ物と職業、理科的常識 | 60問以上 |
| 記憶 | お話の記憶、位置の記憶、数の記憶、映像の記憶 | 70問以上 |
どの分野から手をつけるか迷ったら、図形・数・言葉の3つからで構いません。出題量が多く、他の分野の土台にもなります。
図形・模写の問題
図形分野は、小学校受験でもっとも出題量が多い領域です。同じ形を見つける、重ねる、回す、折って開く、お手本どおりに写す。どれも、目で見た形を頭の中で操作する力を測っています。
代表的な出題形式は次のとおりです。
- 同図形発見: お手本と同じ形を選ぶ
- 重ね図形: 2枚を重ねたらどうなるかを答える
- 回転図形: 回したときの見え方を答える
- 折り紙の展開図: 折って切った紙を開いた形を答える
- 点図形・点つなぎ: お手本と同じ形を点をつないで写す
- 線対称、図形の構成と分割、一筆書き、マス目模写
まずは、いちばんやさしい同図形発見から解いてみてください。
おなじ ものは どれかな?
こたえと考え方を見る
こたえは、赤いまる。
形と色の両方がお手本と一致するものを探します。この段階でつまずく場合は、まだ「どこを見比べればよいか」が決まっていません。「まず形を見て、次に色を見よう」と、見る順番を声に出して決めてあげると、急に正答率が上がります。
図形でつまずく子の多くは、全体をぼんやり眺めて雰囲気で選んでいます。「どこが違う?」と漠然と聞くより、「向きは同じ?」「大きさは同じ?」と比べる観点を一つずつ指定するほうが伸びます。回転図形や折り紙の展開図は、紙を実際に折って切る、図形を手で回すなど、実物で確かめる経験が近道です。
もっと解く: 図形・模写の問題一覧 / 図形の攻略ガイド
推理の問題
推理は、目の前にない状態を頭の中で組み立てる分野です。難関校ほど出題が凝り、差がつきやすいところでもあります。
- 系列: 並びの規則を見つけて、空いているところを答える
- 四方観察: 別の位置から見たらどう見えるかを答える
- 鏡図形: 鏡に映したときの見え方を答える
- 観覧車やすごろく: 動いたあとの位置を答える
- 魔法の箱(ブラックボックス): 箱を通すと何が起きるかの規則を見つける
- サイコロの展開図、歯車、条件推理
ここでは、当サイトでもよく解かれている四方観察を1問。
くまさんから みた くるまは どれかな?
こたえと考え方を見る
こたえは、左を向いた車(見えたまま)。
くまさんは車の正面にいます。自分から見えている向きがそのまま答えになる、いちばん基本の形です。難しくなるのは、向かい側から見る場合。自分の右が相手の左になるという反転が入ると、正答率が一気に下がります。
四方観察と鏡図形は、プリントの前に実物で経験させるのが定石です。机の中央にぬいぐるみを置き、子ども自身が歩いて回りながら「前から」「反対から」の見え方の違いを確かめます。体で納得してからプリントに戻ると、定着がまるで違います。
もっと解く: 推理の問題一覧 / 推理の攻略ガイド / 四方観察の教え方
数・分割の問題
数の分野では、数字を書いたり計算したりはしません。絵を数える、同じ数に分ける、いくつ隠れているかを考える。数の感覚そのものが問われます。
- 計数: 絵の数を正確に数える、どちらが多いかを比べる
- 数の分割と分配: 全部の数から片方を引いた残りを考える、同じ数ずつ分ける
- 数の構成: あわせていくつになるかを考える
- 一対多対応: うさぎ1匹ににんじん2本なら、うさぎ3匹では何本か
- 積み木: 見えない部分を含めて立体の数を数える
- 隠れた数: 雲に隠れた星がいくつかを考える
どちらが おおいかな?
こたえと考え方を見る
こたえは、りんご(7個)のほう。
数え間違いの多くは、数える順番が決まっていないことが原因です。左上から右へ、指で押さえながら数える。数えたものに小さく印をつける。この2つの習慣がつくと、数の問題全体の正答率が安定します。
数の問題は、おやつや食卓がそのまま練習場になります。「いちごを2人で同じ数ずつ分けて」「お皿が4枚、おはしは何本いる?」と日常で問いかけるほうが、プリントを何枚も重ねるより速く身につきます。
比較の問題
比較は、シーソー・長さ・水の量など、目に見える量を筋道立てて比べる分野です。出題数は多くありませんが、論理の力が素直に出るので、難関校でよく使われます。
- つりあい・シーソー: 複数のシーソーの傾きから重さの順番を決める
- 長さ比べ: 曲がった紐やずれた棒の長さを比べる
- 水の量と濃度: 同じ量の水に溶かした砂糖の量を比べる
いちばん おもいのは どれかな?
こたえと考え方を見る
こたえは、りんご。
シーソーは、2つずつの関係をつないで順番を決める問題です。「りんごはみかんより重い」「みかんはバナナより重い」だから「いちばん重いのはりんご」。この「だから」を声に出して言わせると、頭の中の順番が言葉として固まります。
シーソーが苦手な子には、紙に3つの絵を書いて、重い順に上から並べ替えさせるのが有効です。頭の中だけで処理させず、いったん外に並べて見えるようにすると、3つの比較が4つ5つに増えても崩れません。
位置・空間の問題
方眼のマス目や地図の上で、指示どおりに動いた先を答える分野です。小学校に入ってからの算数、そして日常の指示理解に直結します。
- 位置と位置の移動: 「右に2つ、上に1つ」動いた先のマスを答える
- 地図上の移動: 道順の指示を聞いて、たどり着く場所を答える
ねこさんが「みぎに 2つ、うえに 1つ」うごいたら どこ?
こたえと考え方を見る
こたえは、中央から右に2つ、上に1つ動いたマス(右から1番目・上から2番目)。
つまずきの原因はほぼ2つです。左右が定まっていないことと、数えるときに今いるマスを1つ目と数えてしまうこと。「今いるところは0。動いた先から1、2と数える」と決めて、指でなぞらせてください。
左右がまだあいまいな時期は、位置の問題を続けるより、お箸を持つ手を基準に生活の中で左右を言い続けるほうが効きます。「右手でドアを開けて」「左の靴から履こう」の積み重ねが、そのまま得点になります。
もっと解く: 位置・空間の問題一覧 / 位置の攻略ガイド
言葉の問題
言葉の分野は、語彙の量がそのまま出ます。付け焼き刃が効きにくいぶん、早くから取り組んだ家庭が確実に有利になる領域です。
- しりとり: 間に入る言葉を考える、長くつなぐ
- 音の数: 言葉がいくつの音でできているかを数える
- ものの数え方: 鉛筆は1本、紙は1枚といった助数詞
- 仲間はずれ、まとめてなんという: 概念でくくる力
- 昔話・童話: 有名な話の登場人物や場面
- オノマトペ: 雨はザーザー、風はヒューヒュー
あいている ところに はいる ことばは どれ?
こたえと考え方を見る
こたえは、らっぱ(さくら → らっぱ → ぱんだ)。
しりとりの問題は、最後の音と最初の音の両方を同時に満たす言葉を探します。「さくら」の最後は「ら」、「ぱんだ」の最初は「ぱ」。「らで始まって、ぱで終わる言葉」と声に出して条件を整理させると、絵を1つずつ確かめる作業に変わります。
言葉の力は、お風呂と車の中で伸びます。しりとり、「3つの音の言葉を言ってみよう」、「乗り物をまとめて何という?」。プリントは確認の道具であって、語彙そのものは会話で増えます。
季節・常識の問題
季節と常識は、知っていれば解ける、知らなければ解けない分野です。裏を返せば、覚えた分だけ確実に得点になります。
- 季節の行事: ひなまつり、七夕、お月見、節分がいつか
- 季節の自然と動植物: 花、野菜、虫、果物がどの季節のものか
- 生活マナー: 電車の中での振る舞い、食事のしかた、あいさつ
- 食べ物と職業: 土の中で育つ野菜、道具と職業の結びつき
- 理科的常識: 影のでき方、水に浮くもの沈むもの
はるの ものは どれかな?
こたえと考え方を見る
こたえは、さくら(3〜4月の花)。
季節の問題は、暗記カードで詰め込むより、実際の季節の中で覚えたものが強く残ります。桜が咲いたら「これは春の花だね」と言葉にする。それだけで、半年後のプリントで思い出せます。
住んでいる地域や家庭の習慣によって、経験に差が出やすい分野でもあります。お月見やお正月の遊びなど、家でやらないものは、絵本や図鑑で補っておくと安心です。
もっと解く: 季節・常識の問題一覧 / 季節の攻略ガイド
記憶の問題
記憶は、見たものや聞いた話を短時間で覚えて答える分野です。試験本番の緊張がもっとも出やすいところでもあります。
- お話の記憶: 読み上げられた話の内容を答える
- 位置の記憶: どこに何があったかを答える
- 数の記憶: いくつあったかを答える
- 映像の記憶、変わったもの探し
次の問題は、お手本を見て覚えてから答える形式です。「おぼえた!」を押すとお手本が隠れます。
うさぎさんが いた ばしょを おぼえて、あとから おなじ ばしょを タップしよう
こたえと考え方を見る
こたえは、まんなか。
位置の記憶は、見たものを言葉に置き換えられる子が強くなります。「まんなか」「ひだりのうえ」と、覚えるときに声に出して言わせる習慣をつけてください。お話の記憶でも同じで、場面を頭の中で絵にできるかどうかが差になります。
お話の記憶は、毎晩の読み聞かせがそのまま対策になります。読み終えたあとに「だれが出てきた?」「何を持っていた?」と2つだけ聞く。これを続けた子は、本番の長い話にも耐えられます。
難易度はどう上げていくか
当サイトの問題は、やさしい(年中から)、ふつう(年長の標準)、チャレンジ(年長後半から難関校レベル)の3段階に分かれています。
進め方の原則はひとつで、正答率が8割を超えたら次の段階に上げ、5割を切ったら一段下げることです。難しい問題を解かせ続けても、自信を失うだけで力はつきません。特にペーパーを始めたばかりの時期は、「できた」という手応えを積むことのほうが、正しい解き方を教えることより優先されます。
分野ごとに進度が揃わないのは普通のことです。言葉はチャレンジ、図形はやさしい、という凸凹をそのまま受け入れて、分野ごとに階段を上がってください。
家庭での進め方
時間の目安は、年中で1日10〜15分、年長で1日20〜30分です。枚数にすると1日2〜3枚。毎日同じ時間帯に短く、が原則です。
間違えたときは、すぐに正解を教えないでください。「もう一度、指でなぞって数えてみようか」と、解き方の手順に戻します。正解を教えると、その問題は解けるようになりますが、次の問題では同じ間違いをします。手順に戻すと、次の問題でも使える力になります。
同じ問題を繰り返すことも有効です。1週間後に同じプリントをもう一度解かせると、覚えているから解けるのではなく、解き方が身についたから解ける状態になっているかが確認できます。当サイトのプリントは何度でも無料で印刷できるので、反復にそのまま使えます。
まず何から始めるか
はじめてのご家庭は、次の順番で試してみてください。
- この記事の8問を、お子さまと一緒に解いてみる。どの分野が得意でどこで止まるかが、その場でわかります
- 止まった分野のやさしいレベルを数問解いてみる
- 続けられそうなら、年齢別スケジュールで今の時期にやるべきことを確認する
- 紙で取り組みたくなったら、単元ごとの印刷プリントをA4で出す
当サイトの問題はすべて無料で、会員登録もメールアドレスの入力も必要ありません。まずは1問、今日の分だけで十分です。