地図の移動「うえに すすむと?」
もんだい
ねこさんが まちの まんなかに います。うえに すすむと どこに つくかな?
この問題の図: 十字路にいる猫が上に進むとどこに着くかを当てる、地図上の方向確認問題です。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
びょういん(うえの たてもの)
かいせつ(おうちのかたへ)
地図上で「上=向こう側」という感覚を養う問題です。実生活では「上」は空ですが、地図では「向こう側」を意味します。この置き換えに慣れることが小学校の地図学習の基礎になります。
- スタート: まんなか
- うえ → びょういん
出題背景と育つ力
小学校受験の「地図上の移動」は、上から見おろした地図の中で、指示された方向に進むとどこに着くかを答えるかたちで出題されます。この問題は、まちの まんなかに いる ねこが「うえに すすむ」と、上にある びょういんに着く、という3×3のマスを使ったやさしい一手の移動です。受験では、この一回の移動が正しくできることを土台に、複数の方向をつないで進む問題や、上下だけでなく左右もまぜた移動へと広がっていきます。
ここで育つのは、地図という俯瞰の世界で方向と位置を結びつける力です。目の前の景色ではなく、紙の上に描かれた世界を上から眺め、「上のたてもの」「下のたてもの」と位置で物を区別する見方が身につきます。この問題ではびょういん・ふんすい・メリーゴーラウンド・さかなが ねこを囲むように四方に置かれているので、まんなかを基準に上下左右のどれがどの建物かを見分ける練習にもなり、就学後の地図記号や方位の学習へまっすぐつながっていきます。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、ねこが向いている向きにつられてしまうことです。子どもは「すすむ」と聞くと自分が歩く感覚で考えがちで、ねこの顔や体の向きを「前」と思い、そちらの建物を選んでしまうことがあります。この問題のこたえはあくまで紙の上の「うえ」にある びょういんですから、ねこの向きとは関係なく、まんなかから紙の上の方向で考える必要があります。ここがずれると、右のふんすいや下のメリーゴーラウンドを選んでしまいます。
次に多いのが、「上」を空や天井のことだと受け取ってしまうつまずきです。年中から年長の時期は、実生活の上下(空は上、床は下)の感覚がとても強く、地図の上下が「向こう側・手前側」を表すという置き換えがまだ難しい年齢です。そのため「うえ」と言われても、頭の中で本物の高い場所を思い浮かべてしまい、紙の上の位置に結びつかないことがあります。
もう一つは、まんなかという出発点を見失うパターンです。四つの建物に気を取られて、どこからスタートしたのかがあいまいになると、方向そのものは合っていても着く場所を取り違えます。やさしい問題でも、まず指で ねこの位置をしっかりおさえてから動かす習慣がないと、つまずきにつながります。
家庭での声かけ例
まずはお子さまの指を ねこの上にそっと置いてあげて、「ここが ねこさんの おうちのまんなかだよ」と出発点を確かめるところから始めてください。そのうえで「紙の うえって、どっちかな?」と聞き、指を紙の上のほうへ一マスすうっと動かしてもらいます。指が止まったところにある建物を「なにが あるかな?」と一緒に見て、「びょういんだね」と声に出して確認すると、方向と着いた場所がしっかり結びつきます。ねこの顔の向きを気にしているようなら、「ねこさんが どっちを むいていても、紙の うえは ずっと こっちだよ」と、向きと方向は別だとやさしく伝えてあげてください。
地図の「上」が「向こう側」だという感覚は、言葉だけだとなかなか伝わりません。テーブルにプリントを置いて、お子さまから遠い側を「うえ(向こう)」、近い側を「した(手前)」と手で示しながら教えると、体の感覚と結びついて納得しやすくなります。同じように、右のふんすい、左のさかな、下のメリーゴーラウンドも一つずつ指でたどって「右に いくと?」「したに いくと?」と聞いてあげると、この一枚のプリントだけで四方向ぜんぶの練習ができます。
正解できたら「まんなかから うえを ちゃんと みられたね」と、方向を自分で見つけられたことをほめてあげてください。すらすらできるようになったら、「うえに いって、それから みぎに いくと?」と二回つなげた動きに挑戦すると、無理なく次の段階へ進めます。あたたかく見守りながら、指でたどる手順を毎回くり返すことが、確かな地図感覚につながっていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 地図上の上下感覚・俯瞰視点の理解
- 教え方のコツ: 紙の上で「上は遠く、下は手前」と説明
- ステップアップ: 進む方向を2回つなげる問題へ