回転図形「四角の かどの ○と △ みぎに まわすと?」
もんだい
四角の ひだりの ふたつの かどに マークが あるよ。 みぎに まわすと、どれに なるかな?
こたえ
3番(○が右上、△が左上を向いている)
かいせつ(おうちのかたへ)
左辺のマークが時計回り90°でどう動くか確認しましょう。
- ○(左上)→ 右上へ
- △(左下・上向き↑)→ 左上へ移動し、**右向き→**に変わる
各選択肢:
- 1番 → 回転なし(元のまま)○左上・△左下(△上向き↑)
- 2番 → ○右上・△左上だが△が上向き↑のまま ← △の向きが正解と違う
- 3番 → 90°時計回り ○右上・△左上(△右向き→)(正解)
- 4番 → 270°時計回り ○左下・△右下(△左向き←)
2番と3番は○と△の位置が全く同じです。「△の先っぽはどっちを向いている?」だけが唯一の違いです。
出題背景と育つ力
回転図形は小学校受験のなかでも空間認識力を測る代表的な出題です。図形を頭のなかでくるりと回し、回したあとの姿を正しく思い描けるかが問われます。この問題のように「右に(時計回りに)90度まわすと?」と聞かれる形は、慶應系や難関校の図形分野で繰り返し登場します。とくにこの問題は、四角の左の辺にある二つの角に○と△という違う印がついていて、回すと印の位置だけでなく三角の向き(先っぽがどちらを指すか)まで一緒に変わる、という二重の変化を読み取らせる最高水準の一問です。
ここで育つのは、形そのものを回すだけでなく、形のなかについた目印が回転に連れてどう移動し、どう向きを変えるかまで追いかける力です。○は丸いのでどちらを向いても見た目が変わりませんが、△は先のとがった方向があるため、90度回せば上向きが右向きへと変わります。この「向きの変化」に気づける目を育てておくと、後に出てくる180度・270度の回転や、矢印・人の顔など向きのある図形の問題にもそのまま応用がきき、図形分野全体の土台になります。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、印が動く位置だけを正しく追えても、三角の向きまで変えるのを忘れてしまうことです。この問題の正解は3番ですが、2番は○が右上・△が左上という位置がまったく同じで、違いは△の先っぽが右を向いているか上を向いているかだけです。位置だけ見て「合っている」と思った子は、ほぼ確実に2番を選んでしまいます。年中から年長の時期は、ものの位置はとらえられても「向き」という属性を独立して意識するのがまだ難しく、ここで引っかかるのは発達としてごく自然なことです。
次に多いのが、回す方向を取り違えるつまずきです。「右にまわす」が時計回りだとすぐに結びつかず、反対の左回り(反時計回り)で考えてしまうと、4番のような270度回した形を選んでしまいます。時計の針の動きと「右まわり」がまだ一つにつながっていない段階では起こりやすい間違いです。
もう一つ、そもそも図形を回さずに元のまま見比べてしまい、1番(回転なし)を選んでしまうこともあります。頭のなかだけで90度回すのは年長さんでも負担が大きく、イメージが追いつかないと「いちばん似ている元の形」に手が伸びがちです。これらはどれも理解力の不足ではなく、回転と向きを同時に処理する作業量の多さからくるものなので、焦らず手を動かして確かめる経験を重ねることが近道になります。
家庭での声かけ例
まずは紙に四角を一つ描き、左上に○、左下に△(先を上に向けて)を書いて、実際にその紙を手でゆっくり右に回してみせてあげてください。頭のなかだけで回そうとせず、本物が回る様子を目で見て確かめるのが最初の一歩です。回しながら「○はどこに行った?」「△はどこに移った?」と一つずつ指で追わせると、○は右上へ、△は左上へ動くのが体で分かります。
位置を確かめられたら、いちばん大事な向きに注目させます。回す前の△を指して「この三角の先っぽはどっちを向いてる?」、回したあとに「いまはどっちを向いた?」と聞いてみてください。上を向いていた先が右を向くことに気づけたら、この問題の核心はつかめています。そのうえで2番と3番を並べて指差し、「○も△も同じ場所にあるね。でも三角の先っぽはどっちが正しい?」と比べさせると、引っかけのポイントが自分の目で見分けられるようになります。
正解できたときは「位置だけじゃなくて、向きまで見られたね」と、向きに気づけたことそのものをほめてあげてください。間違えても叱らず、もう一度紙を回して「ほら、先っぽが横を向いたね」と一緒に確かめれば十分です。慣れてきたら、お子さん自身に紙を90度ずつ回してもらい、180度や270度ではどうなるかを試させると、向きの変化を予想する力がぐんと伸びていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 三角の向きが回転とともに変わることへの理解・最高水準の空間認識力
- 教え方のコツ: 2番と3番を指差して「△の向きはどっち?」と比較させましょう
- ステップアップ: 3つのマーク問題や、270°・180°回転の問題へ