回転図形「◇と●を あわせて まわすと どれ?(たこがた)」
もんだい
ひだりの まるの ◇と ●を、みぎの まるの ◇と ●の ところに ぴったり あわせて まわすと、たこがたは どう なるかな?
この問題の図: 外周に◇と●の2つのマークがある状態で、両方のマーク位置を合わせるように凧形を回転させる問題です。複数の基準点を同時に扱う高度な回転認識を育てます。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
じょうげが さかさまに なった たこがた(◇は下・●は左、凧形の とがった ほうが 下に きた もの)
かいせつ(おうちのかたへ)
◇は上→下、●は右→左、両方とも反対側に動いています。これは180°回転です。
- 0° → そのまま
- 90° → ◇は右、●は下(不一致)
- 180° → 正解(◇は下、●は左、両方一致)
- 270° → ◇は左、●は上(不一致)
2つのマーク位置がどちらも目的地に合うのは、180°回転だけです。1つだけ合っても両方が合わないと不正解になることを意識させましょう。
出題背景と育つ力
回転図形のなかでも、この問題のように外周に2つのマーク(◇と●)がついたタイプは、小学校受験の図形分野では応用・発展レベルとして出題されます。マークが1つだけなら「合う向きを1つ探す」だけで済みますが、◇と●の両方を同時に目的地へ合わせなければならないため、複数の手がかりを頭のなかで一度に動かして照らし合わせる力が問われます。この問題では◇が上から下へ、●が右から左へと、どちらも反対側へ移る180度回転がこたえになっており、まさに2つの基準点が同時に動く様子を読み取れるかが鍵になります。
ここで育つのは、空間のなかで形の向きをイメージして回す心的回転の力と、複数の情報を取りこぼさずに突き合わせる注意力です。さらに、見た目に惑わされず「印(しるし)の位置」という確かな手がかりで判断する論理的な見方も身につきます。凧形のように上下で長さの違う左右対称の図形は、回すと印象がガラッと変わるため、形そのものではなくマークを軸に考える習慣が、より難しい非対称図形や複数マーク問題への土台になります。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、◇か●のどちらか一方のマークだけを見て決めてしまうことです。たとえば◇が下にきている選択肢を見つけて「これだ」と早合点すると、90度や270度の選択肢を選んでしまうことがあります。実際この問題でも、◇だけ、あるいは●だけが合う向きは存在しますが、両方がそろうのは180度だけです。1つ合ったところで安心せず、もう一方も必ず確かめる、という二段構えがまだ習慣になっていない年中から年長のお子さんに起こりやすいつまずきです。
次に多いのが、凧形の「とがった先がどちらを向くか」という形の印象に引っぱられてしまうケースです。この図形は上が細く下が広い左右対称の形なので、回転すると上下がひっくり返って別の形のように見え、マークよりも形の見た目で選んでしまいがちです。こたえは先のとがったほうが下にきた向きですが、形だけを頼りにすると判断がぶれてしまいます。
また、頭のなかだけで180度回そうとして途中で混乱するのも、この年齢ではよくあることです。心的回転の力は個人差が大きく、まだ発達の途中にあるお子さんは、90度ずつ区切らずに一気に回そうとすると◇と●の位置関係を見失います。「半分まわす」という量の感覚がつかめず、90度と180度を取り違えてしまうのも、この発達段階では自然なつまずきです。
家庭での声かけ例
まずは「◇さんと●さん、ふたりとも おうちに かえれたかな?」と、2つのマークをそれぞれ目的地に帰してあげるお話にしてあげると、お子さんが両方を確認する意識を持ちやすくなります。最初に「◇はどこにいきたいんだっけ?」と1つめを一緒に確かめ、合いそうな選択肢を指で押さえます。次に「じゃあ●もちゃんと合ってるかな?」ともう一方を確認し、両方そろってはじめて丸、と声をかけてあげてください。1つだけでは決めない、という手順そのものをほめてあげるのがコツです。
頭のなかで回すのが難しそうなときは、実物を使って体で確かめさせるのがおすすめです。紙を凧形に切って◇と●のシールを貼り、左の図と同じ状態にしてから、お子さん自身の手で「ぐるっと半分」回させてみましょう。回してみたら◇が下、●が左にきて、とがった先も下を向くことを目で見て確認できます。「90度ずつ、カチ、カチ」と区切って回し、半分でちょうど反対側にくる感覚を一緒に味わうと、180度という量がつかめてきます。
正解できたあとは、「どうして180度だってわかったの?」と理由を言葉にさせてあげると、形の見た目ではなくマークで考えた経験が定着します。逆につまずいたときも、まちがいを責めずに「●さんはおうちに帰れてたね、でも◇さんはどうかな?」と、できていた部分を認めながらもう一方へ目を向けさせてあげてください。あたたかいやりとりのなかで、2つの手がかりを最後まで見届ける粘り強さが育っていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 複数の基準点を同時に追う注意力・空間認識力
- 教え方のコツ: まず◇だけ見て候補を絞り、次に●を確認して1つに決める手順を教えましょう
- ステップアップ: 3つ以上のマーク・非対称図形と組み合わせた問題へ