回転図形「L字を さかさまに まわすと どれ?」
もんだい
L字を まわすと、どれに なるかな?
この問題の図: L字型の図形を180°回転させたときの形を選ぶ問題です。半回転によって形の向きがどう変わるかを学びます。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
3番(180°回転のL字)
かいせつ(おうちのかたへ)
L字を180°回転させると、縦棒が右側・横棒が上側に移動します。
- 時計回り90° → 横棒左・縦棒上のL字
- 270° → 横棒右・縦棒下のL字
- 180° → 縦棒右・横棒上のL字(正解)
- そのまま(0°) → お手本と同じ
「さかさまにひっくり返すとどうなるか」イメージさせましょう。
出題背景と育つ力
回転図形は、小学校受験の図形分野で必ずといってよいほど出題される定番のテーマです。この問題のようにL字を180°(半回転)まわすと、お手本では左側にあった縦棒が右側へ、下にあった横棒が上へと移り、いわば上下も左右もそっくり入れかわった形になります。お子さまは「まわす前の形」と「まわした後の形」を頭の中で結びつけて、選択肢の中から縦棒右・横棒上のL字(3番)を選び取ることが求められます。90°や270°の中途半端な回転と区別しなければならない点が、この問題の核心です。
ここで育つのは、頭の中で形を動かして確かめる心的回転の力と、向きが変わっても同じ図形は同じ図形だと見抜く形の恒常性の感覚です。これらは後の展開図・鏡図形・地図上の移動といった発展課題の土台になるだけでなく、文字や数字の向きを正しくとらえる読み書きの基礎、さらには折り紙やブロック遊びでの空間把握にもつながっていきます。半回転という、見た目の変化が大きく答え合わせもしやすいこの問題は、回転のイメージを体に入れる入り口としてちょうどよい難易度です。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、180°回転と鏡うつし(左右反転)を取りちがえてしまうことです。L字を半回転させると縦棒は右へ移りますが、横棒の向きまで丁寧に追わないと、鏡にうつしたような別のL字を選んでしまいます。正解の3番は縦棒が右・横棒が上ですが、ぱっと見の「縦棒が右」だけで飛びつくと、横棒が下にきている形を誤って選びがちです。お手本の角(かど)がどこにくるかまで見るよう促してあげてください。
次に多いのが、回転の量を取りちがえるパターンです。この問題には90°(横棒左・縦棒上)と270°(横棒右・縦棒下)という、惜しいけれど違う選択肢が並んでいます。年中から年長のお子さまは「少しまわす」と「ぐるっと半分まわす」の区別がまだあいまいなことが多く、お手本に近く見える90°のL字を選んでしまうことがあります。これは発達上ごく自然なことで、半回転という量そのものをまだ体でつかめていないサインです。
もう一つ、頭の中だけで形を回そうとして途中で混乱してしまうケースもあります。この年齢では心的回転の力が育っている最中なので、目に見えない動きを最後まで保持するのは大人が思う以上に大変です。「まわす前はこうだったね」と確かめる手がかりがないと、お手本の形そのものを忘れてしまい、当てずっぽうになりがちです。間違えても叱らず、どこで形を見失ったのかを一緒にたどってあげることが大切です。
家庭での声かけ例
まずは実物で半回転を体験させてあげてください。紙をL字に切り抜くか、L字の形に折ったものを用意し、お手本と同じ向きに置きます。そして「このまま、ぐるっと半分だけまわしてみようね」と声をかけながら、お子さまの手でゆっくり180°まわさせます。まわし終わったら「縦の棒はどっちにいった?」「横の棒は上にきた?下にきた?」と、棒一本ずつ向きをたしかめると、3番の形(縦棒右・横棒上)に自然とたどりつけます。
選択肢で迷っているときは、いきなり正解を教えず、消去法を一緒に使ってあげましょう。「お手本とそっくり同じのはどれ?それはまわしてないから違うね」とまず0°を外し、次に「ちょっとだけまわした形と、半分まわした形はちがうね」と90°・270°との違いに目を向けさせます。残った3番を「これが半分まわした形だね」と確かめると、なぜそれが答えなのかを自分の言葉で説明できるようになります。
慣れてきたら、回転の量を体で覚える遊びに広げてあげてください。「半分まわすと、上と下も、右と左も、ぜんぶ反対になるんだよ」と声をかけながら、お子さま自身がその場でくるりと半回転して向きの変化を感じるのも効果的です。日常でも、時計の長い針が30分で半周することや、絵本を逆さまから見ると絵がどう変わるかなどに触れると、半回転のイメージがぐっと身近になります。うまく言えたときは「自分でまわして考えられたね」とたっぷりほめてあげてください。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 半回転の空間認識・形の恒常性
- 教え方のコツ: L字の紙片を実際にひっくり返して見せましょう
- ステップアップ: L字の鏡像(反転)との区別が必要なチャレンジ問題へ