重ね図形「3つの まるが かさなる ところは?」
もんだい
3つの まるを どれも すこしずつ かさなるように おいたら、どれに なるかな?
こたえ
3つの まるが さんかくに ならんで まんなかで すべて かさなって いる え
かいせつ(おうちのかたへ)
3つの円を三角配置にして、それぞれが他の2つと部分的に重なる「ベン図」の形が正解です。3つのまるの中心は正三角形の頂点に近い位置にあり、中央には3つすべてが交差する小さな共通領域ができます。
「3つが完全に離れている絵」は重なっていないため不正解。「上の2つだけが重なる絵」は3つすべてが重なっていません。「赤いまるが他の2つを覆っている絵」は重なり方の関係が違います。「すべての円がそれぞれと重なる」という条件を満たす配置を見抜く、論理的な観察力が試されます。
出題背景と育つ力
重ね図形は、小学校受験の図形分野で「頭の中でものを重ね合わせる力」を見るために、難関校を中心にくり返し出題されてきた定番のテーマです。下じきのように透けるものを重ねるとどんな形になるか、いくつかの図形が交わるとどこが共通の場所になるか、といった形で問われます。この問題のように、赤・青・黄の3つの輪を三角に並べて「どれもが少しずつ重なる」配置を4つの絵から選ぶタイプは、その中でも「複数のものの関係を同時にとらえる」段階に進んだチャレンジレベルにあたります。
ここで育つのは、ひとつのものだけを見るのではなく、3つの輪それぞれが「ほかの2つと重なっているか」を一度に確かめる、いわば全体を見わたす目です。正解の絵では3つの中心が正三角形のように並び、まんなかに3色すべてが交わる小さな場所が生まれます。この「すべてがおたがいに重なる」という条件を、ひとつずつ指でなぞって確認していく経験は、のちの算数で出てくる図形の重なりや、ものごとを分けて整理して考える土台になっていきます。
よくあるつまずき
このタイプでいちばん多いのは、「重なっているところが2か所あればよい」と早合点してしまうつまずきです。たとえば上の赤と青の2つだけがくっついて、黄色が下にぽつんと離れている絵を選んでしまう子がよくいます。年中から年長のお子さんは、目につきやすい大きな重なりに気をとられやすく、「3つ全部がおたがいに重なっているか」という条件の最後のひとつを見落としがちなのです。問題文の「どれも」「すべて」という言葉が、まだ条件として頭に残りにくい時期でもあります。
次に多いのが、大きさのちがう輪にまどわされるパターンです。この問題の選択肢には、赤い大きな輪の中に青と黄の小さな輪がすっぽり入っているものや、3つが正三角形ではなく横一列に近い形で並んでいるものがまざっています。「中に入っている」ことと「部分的に重なっている」ことは違うのですが、どちらも線が交わって見えるため、見た目の印象だけで選ぶと取りちがえてしまいます。重なり方の関係そのものを比べる前に、にぎやかに見える絵へ手がのびてしまうのですね。
また、3つすべてが完全に離れている絵を「きれいに3つそろっているから」と選んでしまうこともあります。これは「重なる」という言葉の意味が、まだ「ならんでいる」と混ざっている段階のサインです。どれも発達の途中で自然に起こることなので、まちがいを責めず、どこを見て決めたのかを一緒に確かめていくことが大切です。
家庭での声かけ例
まずは選択肢を一度にぜんぶ見せるのではなく、「赤い輪さんは、青い輪さんとくっついているかな?」と一色ずつたずねてあげてください。次に「赤い輪さんは、黄色い輪さんともくっついている?」と続け、最後に「じゃあ青と黄色もくっついているかな?」と確かめます。3つの問いに全部「うん」と言える絵が正解だと、お子さん自身が気づけるように導いてあげると、当て推量ではなく理由で選ぶ習慣がついていきます。
おうちでは、色のついた透明なセロハンや、丸く切った半透明のクッキングシートを3枚用意して、実際に三角に重ねてみるのがおすすめです。まんなかが3色かさなって色が濃くなるのを指でさして、「ここがみんなの集まる場所だね」と声をかけると、絵の上の小さな共通部分が何を表しているかが体で分かります。逆に1枚を遠くへずらして「これだと、まんなかに集まる場所はある?」と問いかければ、離れている絵がなぜ違うのかも実感できます。
選び終わったら、「どうしてこれにしたの?」と理由を言葉にしてもらってください。「ぜんぶがくっついていたから」と説明できたら、条件をしっかり使えた証拠です。慣れてきたら「赤と青だけが重なっているところを指でおさえてみて」「3つ全部がかさなっているところはどこ?」と一歩進んだ問いかけをして、重なりの中の細かい部分にも目を向けさせてあげると、次のステップへ自然につながっていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 複数図形の同時交差の把握・配置の論理的理解
- 教え方のコツ: 透明な色セロハン3枚を三角に重ねて見せると、共通部分の色が変わるのが視覚的に分かります
- ステップアップ: 「赤と青だけが重なる部分」「3つすべてが重なる部分」など部分集合を問う発展問題へ