マス目模写「おてほんと おなじ もようは どれ?(ハート編)」
もんだい
おてほんと おなじ マスの もようは どれかな?
この問題の図: 5×5マス目に塗られたハート型のお手本と同じものを4択から選ぶ難問。上下反転・1マスズレ・下頂点位置違いを見抜く観察力を育てます。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
ひだりうえ(うえに ふたつの でっぱり、まんなかに ふくらみ、したに ひとつの とがり=ハートがた)
かいせつ(おうちのかたへ)
5×5マス目に11マス使ったハート型の模写です。間違いには「上下反転ハート」「下頂点が左に1マスズレ」「中央段が左寄りに1マスズレ」が含まれます。全体の形・上下の向き・中央段の幅・下頂点の位置と、4つの観点を同時に確認する必要があり、複合的な観察力が試されます。
出題背景と育つ力
マス目模写は、お手本の塗られたマスの位置をそのまま正確に写し取る、あるいは同じものを選び出す力を見る出題です。小学校受験では、白紙に書き写す「再生型」と、この問題のように複数の中から同じ模様を選ぶ「選択型」の両方が出されます。今回は5×5の25マスのうち11マスを使ったハート型という、左右対称で輪郭のはっきりした形が題材です。線対称の美しさがある分、ぱっと見の印象が似た「にせもの」を作りやすく、難関校がよく使う複合判定の入り口になっています。
この問題で育つのは、一つの正解の特徴を一気に見るのではなく、上の出っぱり二つ、中央のふくらみの幅、いちばん下のとがりの位置という三つ四つの手がかりに分解して、順番にひとつずつ照合していく観察の段取りです。選択肢には上下をひっくり返したハート、下のとがりが一マス左にずれたもの、まん中の段が左に寄ったものが混ざっており、どれか一つの観点だけを見ていると必ず引っかかります。全体の雰囲気で決めず、特徴を言葉にして確かめる習慣そのものが、図形領域だけでなく数や言語の問題を解く土台になっていきます。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、ハートらしい形を見つけた瞬間に手を挙げてしまうことです。この問題の選択肢はどれも「ハートに見える形」になっているので、雰囲気だけで選ぶと上下が逆さまになったもの(上にとがり、下にふくらみがあるハート)をうっかり選んでしまいます。年中から年長の前半のお子さんは、ものの向きや上下を見分ける力がまだ育ちきっていないことが多く、形が合っていれば向きの違いに気づきにくいものです。まずは「上はどっち、下はどっち」と向きそのものに目を向けさせてあげてください。
次に多いのが、いちばん下のとがり一マスの位置の違いです。正解はまん中の列にすとんと下りる左右対称のとがりですが、よく似た選択肢ではこのとがりが一マスだけ左にずれていて、左右のバランスが崩れています。一マスのずれは大人でも見落としやすく、お子さんは「だいたい同じ」で済ませてしまいがちです。原因は、はしから何番目という位置を数で確かめる習慣がまだないこと。指で列を数えて確かめる体験を重ねると、ぐっと正確になります。
もう一つ、まん中の幅広い段が左に一マスずれている選択肢もあります。ここは横に三マスならぶ中央の段で、左右どちらの端から数えても同じ位置に来るのが正解です。お子さんは上の出っぱりだけ見て安心し、まん中の段までていねいに比べないことがよくあります。一か所合っていたから全部合っている、という早合点を防ぐには、最後の一マスまで指でなぞって確かめる、という終わり方を教えてあげることが効きます。
家庭での声かけ例
まずはお手本を一緒に声に出して読み解くところから始めてください。「うえに ぽこっと でっぱりが ふたつ」「まんなかが よこに ひろがって」「いちばん したは ひとつだけ とがってるね」と、上から下へ三段階で形をことばにしてあげます。形をことばにできると、選択肢を見るときも同じ順番で確かめられるようになり、雰囲気だけで選ぶのを防げます。お子さんが「ハートだ」と言えたら、「どこを見てハートってわかった?」ともう一歩聞いてみると、特徴に注目する力が伸びます。
次に、選択肢を一つずつ「お手本とくらべっこ」していきます。「このハート、うえとした、おてほんと おなじむき?」と向きから確認すると、上下がひっくり返ったものはここで外れます。残ったものは「いちばん したの とがりは、まん中にある? ひだりに よってない?」「まんなかの ふといところ、はしから かぞえて おなじ ばしょ?」と、ずれを一マスずつ指で数えて確かめます。指でマスを数える動作を必ずセットにすると、見た目のあいまいさが数の確かさに変わります。
おうちでの遊びとしては、方眼の紙やマグネットでお手本のハートを実際に作り、お子さんに同じものを写してもらうのがおすすめです。自分で塗ってみると、上下を逆さにすると別物になることや、とがりを一マスずらすとバランスが崩れることを手で実感できます。できたら「上の出っぱりからお手本と見くらべてごらん」と、確認の順番まで一緒に習慣づけてあげてください。間違えても「ここの一マスがおしかったね、よく見つけたね」と、細かい違いに気づけたこと自体をほめてあげると、最後の一マスまでていねいに見る姿勢が育っていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 複数の特徴(向き・幅・頂点位置)を同時に検証する総合観察力
- 教え方のコツ: 「上の凸2つ → 中段の幅 → 下の頂点」と上から順に4段階で確認
- ステップアップ: 星型・矢印・三角旗など他のシンボル形状の模写に挑戦