マス目回転「かいだんを みぎに 90°まわすと?」
もんだい
おてほんの かいだんを みぎに 90° まわすと どうなるかな?
この問題の図: 4×4マス目の階段模様を時計回りに90°回転させたものを4択から選ぶ難問。複雑な模様でも回転の規則を見抜く力を育てます。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
ひだりうえ(ひだりうえから みぎしたへ おりていく かいだん)
かいせつ(おうちのかたへ)
階段(左下から右上に登る形)を時計回りに90°回すと、左上から右下に下る階段になります。間違いには「元のまま(左下→右上)」「左90°回した(よく似た形だが段の位置が違う)」「180°回した(右上→左下に下る階段)」が含まれます。階段のような複雑な模様でも回転規則は同じで、出発点と方向の両方を確認することが大切です。
出題背景と育つ力
マス目回転は、難関校の図形分野で出題が増えているタイプです。この問題のように4×4のマス目に描かれた階段模様を時計回りに90°回したらどうなるか、というかたちで問われます。同図形発見や折り紙の展開とちがって、頭の中で図形をぐるりと動かす「心的回転」という力が必要になるため、図形問題のなかでも一段むずかしい部類に入ります。実際の試験では「この絵を右に回すとどれ?」という口頭の指示で出されることが多く、お子さんは紙を回さずに頭の中だけで答えを選ばなければなりません。
この出題で育つのは、複雑な模様であっても回転の規則を最後まで一貫して当てはめる力です。この問題の階段は左下から右上へ登っていく形で、マスの数も7つと多く、段の折り返しが何度もあります。これを90°回しても「形がくずれない」「段の数は変わらない」という不変のルールを保ったまま、向きと出発点だけを正しく入れかえる必要があります。ここで養われる、一部分にとらわれず全体の規則を見通す感覚は、後の系列や対称図形、さらには算数の図形領域にもつながっていく土台になります。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、回す方向を取りちがえて左90°の選択肢を選んでしまうことです。この問題の選択肢には、正解の「左上から右下へ下る階段」とよく似た「右下から左上へ上がっていく形」がまぎれこんでいます。段の数も折り返しの感じもそっくりなので、方向の感覚があいまいなお子さんはここで引っかかります。「みぎにまわす」が時計回り、つまり時計の針の進む向きだということが体にしみこんでいないと、ぱっと見の似ている方を選んでしまうのです。
次に多いのが、180°回した選択肢を選んでしまうケースです。これは「上下がひっくり返って右上から左下へ下る階段」で、回しすぎた形にあたります。年中から年長の前半のお子さんは、回転をまだ「ちょっと傾ける」程度のイメージでとらえていることがあり、90°でぴたりと止める感覚が育ちきっていません。そのため、回せば回すほど正解だと感じて行きすぎてしまうことがあります。
さらに、この問題特有のむずかしさとして、模様が複雑だと途中で形を見失ってしまうことがあります。マスが7つあり段が何度も折れているため、回している最中に「どこが出発点だったか」を見失い、結局もとのままの形を選んでしまう子もいます。これは記憶の負担が大きいことが原因で、年齢的に頭の中で多くの情報を保ちながら操作するのがまだ難しい時期だからこその、自然なつまずきです。
家庭での声かけ例
まずは頭の中だけで考えさせず、実際に紙を回す体験から始めてあげてください。お手本の絵をうすい紙やトレーシングペーパーに写し取り、「右にコトンと一回だけ回してみようね」と声をかけて、お子さん自身の手で90°回させます。回したあとの紙を選択肢のそばに置いて、「これと同じなのはどれかな?」と見くらべさせると、正解の左上の形にたどりつきやすくなります。「右はこっち、時計の針が進む方だよ」と、向きを体の動きと結びつけて確認しておくと、左90°との取りちがえが減ります。
次に、目印になる一点を決める声かけが有効です。この階段でいちばんわかりやすいのは、いちばん下の右端あたりにある角のマスです。「このいちばん下のマスは、回すとどこへお引っ越しするかな?」と問いかけ、その一マスの行き先だけを先に決めさせます。出発点が決まれば、そこから階段がどちらへ下りていくかも自然と見えてきます。全部を一度に追わせず、ひとつの点を手がかりにする習慣をつけてあげると、模様が複雑でも見失いにくくなります。
最後に、まちがえたときこそ落ち着いて差を言葉にしてあげてください。たとえば右下から上がる形を選んだら、「おしいね、これは下りていく階段じゃなくて上っていく階段だね。お手本を回したらどっちに下りるんだったかな」と、向きのちがいだけにそっと注目させます。正解できたら「7つのマスがひとつもくずれずにきれいに回せたね」と、形が保たれていることをほめてあげると、回転のルールへの自信につながります。あせらず、手を動かしながら何度も回す経験を重ねることが、頭の中だけで回せる力への近道になります。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 複雑な模様でも回転規則を一貫して適用する力
- 教え方のコツ: お手本の「いちばん下のマス」が回転後にどこへ行くかを最初に決めると考えやすい
- ステップアップ: 5×5マス目で多段階の階段や矢印型の回転に挑戦