シーソー「いちばん かるいのは?」
もんだい
いちばん かるいのは どれかな?
この問題の図: 2台のシーソーから一番軽いものを推理する問題です。推移律の基礎を確認します。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
ねこ が いちばん かるい
かいせつ(おうちのかたへ)
推移律の問題です。
- うえのシーソー: ぞう > くま
- したのシーソー: くま > ねこ
- よって: ぞう > くま > ねこ
「一番重いのは?」ではなく「一番軽いのは?」と聞いています。問題文を正確に読む力も問われます。
出題背景と育つ力
シーソー(つりあい)の問題は、小学校受験の「大きさ・比較」分野で毎年のように出される定番の出題タイプです。なかでもこの問題のように2台のシーソーをつなげ、ぞう・くま・ねこという3つのものの軽重を一列に並べ替えさせる形は典型中の典型です。重さは目で見ることができませんが、シーソーが下に傾いたほうが重いというルールを手がかりにすれば、見えない「重さの順番」を頭の中で組み立てることができます。この問題では、上のシーソーで「ぞうのほうが重く、くまが軽い」、下のシーソーで「くまのほうが重く、ねこが軽い」と読み取り、二つの情報を真ん中のくまでつないで一本の列にまとめていきます。
ここで育つのは、推移律(AがBより重く、BがCより重ければ、AはCより重い)という論理的な推理の力です。この問題のぞうとねこは一度も同じシーソーに乗っておらず、直接くらべることができません。それでも間にいるくまを橋わたしにすれば「ぞうよりねこのほうが軽い」と導ける、という考え方は、後の算数の大小関係や文章題を支える土台になります。さらにこの問題は「いちばん かるいのは?」と軽いほうをたずねており、シーソーの見た目で目立つ「下がって重そうなぞう」とは反対側の答えを選ばせる構成です。図の印象に流されず、問題文が何を聞いているかを最後まで正確に受けとめる力も、同時に試されています。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、「いちばん かるいのは?」と聞かれているのに、つい一番重いぞうを選んでしまうパターンです。シーソーは下がっているほうが目立つので、子どもの目は自然と下に傾いた重いものへ引っぱられます。そのうえ年中から年長の時期は、「おもい・かるい」という反対の言葉を頭の中でぱっと切りかえるのがまだ苦手です。ぞう>くま>ねこという順番まで正しく組み立てられていても、最後の最後に軽いねこではなく重いぞうを選んでしまう、というもったいない取りちがえがとても起きやすいところです。
次に多いのが、2台のシーソーを別々のものとして見てしまい、つなげて考えられないつまずきです。上のシーソーで「くまよりぞうが重い」、下のシーソーで「ねこよりくまが重い」とそれぞれは読み取れても、この二つを一本の列にまとめる発想がまだ育っていないことがあります。とくに、両方のシーソーに出てくるくまが二つの情報をつなぐ橋わたしの役だ、という見方に気づけないと、一度も直接くらべていないぞうとねこの軽重が判断できず、手が止まってしまいます。
もう一つ、シーソーの傾きの読み取りそのものを取りちがえるケースもあります。この問題は2台とも左側が下がっていますが、「下がっているほうが重い」のか「上がっているほうが重い」のかが定着していないと、出発点からすべてが逆になってしまいます。重さは目に見えない抽象的な概念なので、この年齢ではまだ感覚と結びつきにくく、ルールを毎回あいまいに思い出している段階の子も少なくありません。
家庭での声かけ例
まずは傾きのルールを、体の感覚と結びつけて確認しましょう。「シーソーで重いお友だちが乗ったら、どっちが下がるかな?」と聞き、公園のシーソーや、お父さんと手をつないで腕を上下する遊びを思い出させると、「重いほうが下がる」が腹落ちします。そのうえで上のシーソーを指さして「ここはぞうとくま、下がっているのはどっち? じゃあ重いのはどっち?」と一台ずつ確認し、「ぞうのほうが重いね、くまは軽いね」と言葉にしてあげてください。同じやり方で下のシーソーも見て、「くまのほうが重い、ねこは軽い」と一つずつ押さえます。
次に、二つのシーソーをつなげる声かけをします。「両方のシーソーに出てくる動物さんは誰かな?」と聞いて、くまが二回出てくることに気づかせるのがコツです。「くまさんを真ん中において並べてみようか。ぞうとくまだとぞうが重い、くまとねこだとくまが重い。じゃあ重い順に並べると?」と促し、ぞう・くま・ねこのカードやぬいぐるみを実際に左から重い順に並べてみると、目で見て「ぞう、くま、ねこ」の列がはっきりします。
最後がいちばん大事な仕上げです。並べ終わったら、すぐに答えを言わせず「もう一回、問題は何を聞いていたっけ?」と問題文に戻ってください。「いちばん かるいのは、だったね。じゃあ並べた中でいちばん軽い、列のはしっこはどれ?」と確認すれば、重いぞうではなく軽いねこにたどり着けます。もし間違えても叱らず、「重い順に並べたのは大正解。あとは軽いほうを選ぶだけだったね」と、考え方が合っていたことをしっかりほめてあげてください。順番を組み立てる力はすでにできていると伝われば、次は問題文を最後まで読む習慣へとつながっていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 推移律・問題文の正確な理解
- 教え方のコツ: 「おもい」と「かるい」は反対だよ、と確認しましょう
- ステップアップ: 3台のシーソーで4つのものを比べる問題へ