おれた ひも「のばしたら どっちが ながい?」
もんだい
ひもを まっすぐ のばしたら、ながいのは どっちかな?マスで かぞえよう。
この問題の図: 折れ曲がった2本の紐を、マス目で経路の合計を数えて長さを比較する問題。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
みどりの ひも
かいせつ(おうちのかたへ)
折れ曲がった線の長さは、たとて方向が変わっても「マスをいくつ進んだか」の合計です。オレンジは3+2=5マス、緑は2+2+3=7マス。実際にひもや毛糸を曲げて並べ、それを伸ばして見せると、見た目と実際の長さは違うことが体感できます。
出題背景と育つ力
長さ比べは、小学校受験の比較領域で毎年のように出される定番の出題です。なかでもこの「折れ線をのばしたらどちらが長いか」という形は、まっすぐ並んだ棒を見比べるだけの基礎問題から一歩進んだ応用にあたります。この問題ではオレンジのひもが右へ3マス進んでから下へ2マスと一度だけ曲がるのに対し、緑のひもは右へ2マス・下へ2マス・右へ3マスと二度折れ曲がっています。横の見た目だけ見るとオレンジのほうが右に大きく伸びていて長そうに感じますが、実際にマスをたどって数えるとオレンジは合計5マス、緑は合計7マスで、答えは緑のひもになります。見た目の印象と、たどった道のりの実際の長さがずれる場面をわざと作ってあるのが、この出題の狙いです。
ここで育つのは、形が変わっても長さは変わらないという保存の考え方と、曲がった道を一区切りずつに分けて数を足し合わせる力です。ひもをまっすぐ伸ばせば、途中で何回曲がっていようと進んだマスの合計がそのまま長さになる、という理屈を体で納得することが、後の数量や図形の学習の土台になります。難易度はふつうですが、見た瞬間の直感に頼らず、根拠を持って大きい小さいを言えるようになることは、入試本番だけでなく、ものごとを順序立てて考える姿勢そのものを育てます。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、ひも全体の見た目で長さを決めてしまうことです。この問題ではオレンジのひもが横にぐっと伸びて見えるため、「こっちのほうが遠くまで行ってるから長い」とオレンジを選ぶお子さんが少なくありません。年中から年長の前半くらいまでは、長さを端から端までの広がりでとらえる傾向が強く、折れ曲がった分も道のりに含めて足すという発想がまだ育ちきっていないためです。横の広がりという目立つ手がかりに引っぱられて、オレンジが下に曲がった2マスや、緑が下に曲がった2マスを勘定に入れ忘れてしまうのです。
次に多いのが、数え方そのもののつまずきです。曲がり角のマスを二回数えてしまったり、逆に角を飛ばして数え落としたりして、合計がずれてしまいます。緑のひもは曲がり角が二か所あるぶん、曲がり角が一か所のオレンジより数え間違いが起きやすくなります。指でなぞる速さと口で数える速さが合っていないと、なぞった線と「いち、に、さん」の声がずれて、本当は7マスなのに6マスや8マスになってしまうこともあります。
もう一つ気をつけたいのが、マスの線そのものを数えてしまうケースです。長さは点と点のあいだ、つまりマスの一区切りを一つと数えるのですが、ひもが通っていない交差点の縦線や横線まで目で追い始めてしまうと答えが合いません。どこからどこまでで一マスなのかという数える単位がはっきりしていないと、たどるたびに数が変わってしまい、お子さん自身も自分の答えに自信が持てなくなります。
家庭での声かけ例
まずは見た目で答えを急がせないことから始めます。「どっちが長そうに見える?」と一度予想を言わせてあげてください。多くのお子さんはオレンジと答えます。そこで「じゃあ本当にそうか、ひもの上を指でお散歩して確かめてみようね」と、数えて確かめる流れに自然につなげます。予想と結果がずれる驚きが、見た目だけで決めてはいけないという学びをいちばん強く残してくれます。
数えるときは、お子さんの指をスタートの点に置かせ、一マス進むごとに「いち」「に」と声に出させます。曲がり角まで来たら「ここで曲がるね、でもお散歩は続くよ」と声をかけ、角でいったん止めてから残りを数えると、角の二重数えや数え落としを防げます。オレンジは「さんまで行って、曲がって、ご」、緑は「にまで行って、曲がって、し、もう一回曲がって、なな」と、区切りごとに数を確かめてあげましょう。最後に「オレンジは5マス、緑は7マス、どっちが多い?」と合計を並べて聞けば、お子さん自身の口で緑だと言えるようになります。
仕上げに、毛糸やひもを実際にこの問題と同じ形に折って机に並べ、それからピンとまっすぐ伸ばして長さを比べてみてください。曲げているときはオレンジのほうが長そうに見えたのに、伸ばすと緑のほうが長い、という体験が、紙の上の数えと現実をつなげてくれます。うまく数えられたときは「目で見ただけじゃ分からないことを、ちゃんと数えて見つけられたね」と、結果よりも確かめた手順をほめてあげると、次も自分で数えてみようという気持ちが育ちます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 経路の長さの合計概念・見た目に騙されない判断力
- 教え方のコツ: 線をなぞりながら「いち、に、さん…」とマスを数える練習を反復
- ステップアップ: 3本以上の折れ線比較、迷路の最短経路選び