お話の記憶「どうぶつえんに いこう」
おうちの方がお話を読み聞かせてください。読み聞かせは1回のみ。お子さまにメモは取らせず、耳だけで聞く練習をしましょう。
おはなし(読み聞かせ)
たけしくんは おとうさんと どうぶつえんに いきました。
いちばん さいしょに みたのは きりんでした。きりんは とても くびが ながくて、たけしくんは びっくりしました。
つぎに さるの おりに いきました。さるは 3ひき いて、なかよく けづくろいを していました。
おひるに なったので、たけしくんは アイスを たべました。つめたくて とても おいしかったです。
しつもん
1. どうぶつえんに いったのは だれですか?
2. いちばん さいしょに みた どうぶつは なんですか?
3. おひるに たべたのは なんですか?
4. さるは なんびき いましたか?
こたえ
- おとこのこ(たけしくん)
- きりん
- アイス
- 3ひき
かいせつ(おうちのかたへ)
約70語のお話です。「誰が」「何を」「いくつ」という基本的な情報を正確に聞き取る力が問われます。
出題背景と育つ力
お話の記憶は、小学校受験で必ずといってよいほど出題される定番分野です。この問題のように、先生が一度だけ読み上げる短いお話を耳で聞き、その後に「誰が」「何を」「いくつ」を問う質問へ答える形式が基本になります。今回のお話は約70語で、たけしくんがお父さんと動物園へ行き、最初にきりんを見て、次にさるが3びき、お昼にアイスを食べた、という三つの出来事が時間の順番に並んでいます。試験では文字も絵カードも見せられず、聞いた音だけを頼りに答えるため、メモや読み返しに頼れない真の「聞く力」が試されます。
このタイプで育つのは、お話を最後まで集中して聞く傾聴力と、聞きながら頭の中に場面を思い浮かべて情報を保持する記憶力です。さらに、きりんの次にさる、その次にアイスという出来事の順序を追う力や、さるが3びきという数を正確に覚えておく数の記憶も同時に鍛えられます。これは小学校に入ってから、先生の口頭の指示を一度で理解して動く力や、文章題を読み取る力の土台にもなる、受験の枠を超えて長く役立つ力です。
よくあるつまずき
このお話でいちばん間違えやすいのは、四問目の「さるは なんびき いましたか」です。お話の中には数を表す言葉が「さるは3びき」しか出てきませんが、お子さまはきりんやアイスなど別の場面の印象に引っぱられ、なんとなく2ひきや4ひきと答えてしまうことがあります。年中から年長の時期は、出来事の「絵」は覚えていても、それに結びついた「数」だけを切り離して保持するのがまだ難しい発達段階だからです。数を問う質問は最後に置かれることが多く、お話の終わりまで数を覚え続ける負担も加わります。
二問目の「いちばん さいしょに みた どうぶつ」も、つまずきが起きやすい質問です。正解はきりんですが、お話にはさるも登場するため、「動物といえば」で記憶に残りやすかった方を答えてしまったり、「最初に」という順番の条件を聞き落として、印象の強い動物を選んでしまったりします。「さいしょ」「つぎに」「おひるに」という順序を表す言葉に注意が向いていないことが原因です。
もう一つ多いのが、一問目で「たけしくん」という名前は覚えているのに、選択肢が女の子・男の子・おじいさんという絵で出てくると迷ってしまうケースです。たけしくんが男の子だと結びつけられず、また一緒に行ったのはお父さんなので、おじいさんの絵につられることもあります。聞いた言葉を、目の前の絵カードの意味と照らし合わせて選ぶ作業そのものが、この年齢ではまだ練習の必要なステップなのです。
家庭での声かけ例
読み聞かせの前に、「これからたけしくんのお話をするよ。終わったらいくつか質問するから、目で見えるみたいに頭の中でお話を思い浮かべてね」と一声かけてあげてください。聞く目的がはっきりすると、お子さまの集中の質が変わります。読むときは早口にならず、「いちばん さいしょに」「つぎに」「おひるに」という順序の言葉を少しゆっくり、はっきり読んであげると、出来事の順番が記憶に残りやすくなります。
質問に答えられたときは、ただ正解を伝えるだけでなく、「どうしてきりんだと思ったの」「さるは何していたっけ」と理由や場面を言葉にしてもらいましょう。きりんは首が長くてびっくりした、さるはなかよく毛づくろいをしていた、という細かい描写まで思い出せると、記憶が場面ごと定着していきます。とくに数を問う四問目では、答えた後に「さるさんを指で3びき数えてみようか」と、指やおはじきで再現させると、数を覚える感覚がぐっとつかみやすくなります。
もし間違えても、すぐ正解を教えずに「もう一回だけ、さるさんのところを読むね」と、その部分だけを読み返してあげてください。お話全体ではなく、つまずいた一場面に絞って聞き直すと、お子さま自身が「あ、3びきだ」と気づけます。慣れてきたら、「アイスの前は何をしていた」「動物園には誰と行った」と、出てきた順番をたどる質問を加えてみると、出来事のつながりを覚える力がさらに伸びていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 傾聴力・記憶力
- 教え方のコツ: 「誰が出てきた?」「何をした?」と話の後に聞いてみましょう
- ステップアップ: 登場人物が2人以上のお話に挑戦しましょう