かんらんしゃが みぎに 3つ うごいたら(いちばん した)
もんだい
かんらんしゃに 8つの ゴンドラが あります。みぎに 3つ うごいた あと、いちばん したに いるのは どの どうぶつでしょう。
こたえ
とらの ゴンドラ(もとは うえから みぎがわに 1つ すすんだ ところに いました)
かいせつ(おうちのかたへ)
「右に3つ動いた後、下にいるのは?」を解くには、逆に「3つ戻ったら今の下の位置はどこにあったか?」と考えます。下からスタートして反時計回りに3つたどると、もとの「右上のひとつ右」の位置に行き着きます。
ゴンドラ数が増えると指でたどるのが難しくなるので、紙の上で位置に番号を振って整理させると確実です。
出題背景と育つ力
観覧車の問題は、小学校受験の推理分野で定番として出題されます。ゴンドラが回るとそれぞれの動物がどこに移動するかを、頭の中で順番に動かしていく力が問われます。この問題は8つのゴンドラがあり、しかも「右に3つ動いた後、一番下にいるのは誰か」という、回転数も座席数も多めの設定です。観覧車の中でも上や横ではなく「一番下」を問う形は、子どもが見落としやすい位置のため、ねらいを定めた応用問題になっています。難易度がチャレンジに設定されているのもこのためです。
この出題タイプで育つのは、ものの位置を基準に置きながら全体がどう動くかを追いかける「空間的な位置追跡」の力と、答えから逆算する「逆向きの思考」です。今いる位置から3つ戻ったらどこにあったかをたどる作業は、足し算引き算の前段階として、数の前後関係や順序を体で理解することにつながります。観覧車という身近で楽しい題材を通して、回転と位置の関係を直感的につかむ経験は、後の回転図形や鏡図形といった図形分野の土台にもなっていきます。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、回す向きを取り違えてしまうことです。「右に3つ」と言われると、子どもは観覧車の右側のゴンドラだけを見て3つ数えてしまい、観覧車全体がぐるりと回るイメージが持てないことがあります。この問題の答えがとらのゴンドラになるのは、もともと右上のひとつ右にいた動物が、3つ分回って一番下まで下りてくるからです。向きと回転のイメージがずれると、ここで全く違う動物を選んでしまいます。
次に多いのが、ゴンドラを8つも追ううちに数え間違える、いわゆる「数のずれ」です。年中から年長のお子さんは、頭の中だけで8つの座席と3回分の動きを同時に保つのがまだ難しく、ワーキングメモリーがいっぱいになってしまいます。指でなぞっている途中でどこまで数えたか分からなくなり、2つや4つ動かしてしまうことがよく起こります。座席数が少ない問題は解けるのに、この8座席版になると急に間違える、というのは発達段階としてごく自然なことです。
もうひとつ、「一番下」という問う位置そのものを忘れてしまうつまずきもあります。動かすことに集中するあまり、最後に上や横にいる動物を答えてしまうのです。選択肢にうさぎ・いぬ・くまといった他の位置の動物も並んでいるため、位置を取り違えるとそのまま間違いの選択肢に吸い込まれてしまいます。動かし終えたら必ず「下はどこだったかな」と確認する習慣が大切です。
家庭での声かけ例
まずは紙とえんぴつを用意して、観覧車の8つの位置に番号を振るところから始めてみてください。一番下を1として、ぐるりと番号をつけておくと、お子さんが頭の中だけでがんばらずに済みます。そのうえで「観覧車って全部つながってるよね。一つ動くと、みんな一緒にずれるんだよ」と、全体が回るイメージを言葉にしてあげましょう。手で観覧車の絵を一緒にくるりと回す真似をすると、向きの感覚がつかみやすくなります。
実際に動かすときは、急いで答えを出させず「いち、に、さん」と声に出して一緒に1つずつ動かしてあげてください。この問題なら、とらのゴンドラがもともと右上のひとつ右にいて、右に3つ動くと一番下に来ます。「最初にここにいた子が、1つ動いて、2つ動いて、3つ目で一番下に来たね」と、動いた跡を指でなぞりながら確認すると、なぜとらが答えになるのかが体で分かります。逆に「今下にいる子は、3つ戻ったらどこにいたかな」とたどる遊びも、同じ答えにたどり着けて理解が深まります。
答え合わせのあとは、結果だけほめるのではなく「最後にちゃんと一番下を見られたね」「数えるのを途中でやめずにできたね」と、向きと位置を意識できた過程を具体的にほめてあげてください。間違えたときも「どっち向きに回したのかな、もう一回一緒に回してみようか」と、責めずにやり直す声かけが効果的です。慣れてきたら、座席に物を置いた本物の円を作って回してみるなど、手を動かす遊びに広げると、チャレンジ問題も楽しみながら身についていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 多数スロットでの位置追跡・逆向き思考
- 教え方のコツ: 「動いた後に下にいる=動く前に下の右に動かない位置」を実際に指でなぞる。慣れたら番号(位置1〜8)で考える
- ステップアップ: 「向かい合う」など2段階推理が必要な問題へ