まほうの はこ — まるを いれると なにが でてくる?
もんだい
おてほんの ように、●を みっつ まほうの はこに いれたら、なにが でてきますか。
この問題の図: まほうの はこを とおると まるが しかくに かわる おてほんから 規則を 読み取り、まる 3つを いれたら 何が でてくるかを 答える 問題。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
しかく みっつ(■■■)
かいせつ(おうちのかたへ)
形(まる→しかく)だけが変わり、数は保たれるパターンです。前問の「種類変換」と本質は同じですが、果物より抽象度の高い「形」の概念を扱います。
選択肢には「●のまま」「▲」「★」など同数の他形を並べてあるので、「数は合っていても形が違う」「形は合っていても数が違う」の差を意識させやすくなっています。
出題背景と育つ力
魔法の箱は、入り口に入れたものが箱を通ると別のものに変わる、という規則を一つ見つけ出して、それを新しい場面に当てはめる出題タイプです。小学校受験では、まず「お手本」が二つ三つ並べて示され、子どもはそこから箱の働き(ここでは「まるが、しかくに変わる」)を自分で読み取り、未知の入力に対する出力を予想します。この問題ではお手本が●1つ→■1つ、●2つ→■2つと示され、最後に●3つを入れたら何が出るかを問われています。答えは■を3つ、つまり形だけがまるからしかくに変わり、数の3はそのまま保たれる、という二つの規則を同時に守った選択肢です。
ここで育つのは、複数の事例に共通するきまりを抜き出す力と、見つけたきまりを別の数に応用する力です。お手本では1個と2個しか出てきませんが、問われるのは3個。「お手本に3個はなかったから分からない」で止まらず、「形は変わる・数は変わらない」という法則そのものを取り出して未知の場面へ運ぶ、いわば小さな帰納と演繹の往復が求められます。この「規則を見つけて当てはめる」思考は、後の系列・置き換え・関数的な考え方の土台になり、難関校で複雑化していく魔法の箱問題に向かう第一歩でもあります。
よくあるつまずき
この問題でいちばん多いつまずきは、「形」と「数」という二つの変化を同時に追えず、どちらか一方だけに気を取られてしまうことです。形の変化に気づいた子は■を選べますが数を見落として■を1つや2つにしてしまい、逆に「3個入れたから3個出る」という数だけに注目した子は、形がまるのままの●3つ(選択肢の一つ目)を選んでしまいます。お手本に3個の例がないぶん、自分で「形のきまり」と「数のきまり」を別々に確かめて、両方を満たす一つを選ぶ必要があるのですが、年中から年長の前半ではこの二段構えの確認がまだ難しく、目に最後に入った特徴に引きずられがちです。
もう一つ多いのが、規則ではなく「見た目の派手さ」や「好み」で選んでしまうケースです。▲や★は形として目立つので、まるが変わると言われた直後だと「何か別のかっこいい形に変わるのだろう」と星を選ぶ子もいます。これはお手本のしかくと選択肢の形を一つひとつ照らし合わせる習慣がまだ育っていないサインで、叱るところではなく、照合の手順を一緒に練習する場面です。
また、お手本を「●が■になった」という変化として捉えず、左の絵と右の絵をばらばらの絵として眺めてしまう段階の子もいます。この場合は答え以前に「箱を通ると変わる」という枠組み自体がまだ腑に落ちていないので、出力だけを見比べるより、矢印を指でなぞって「入れる前」と「出てきた後」をペアで見る経験を先に増やしてあげると安定します。
家庭での声かけ例
まずはお手本から一緒に規則を声に出して取り出します。一つ目のお手本を指でさしながら、「まるを1つ入れたら、何が出てきた?」と尋ね、「しかく」と言えたら「そう、まるがしかくに変わったね」と変化を言葉にします。続けて二つ目で「今度はまる2つ。出てきたのは?」と確かめ、「しかくが2つ。数は同じで2つのままだね」と、形は変わる・数は同じという二つのきまりをお子さんの口から引き出してあげてください。ここで二つを別々に言語化しておくことが、後の選び間違いをぐっと減らします。
その上で本問へ進みます。「じゃあ、まるを3つ入れたら?」と問いかけ、答えを急がず「形はどうなる?」「数はいくつのまま?」と一つずつ確認します。形について「しかくになる」、数について「3つのまま」と二つそろったら、「形はしかく、数は3つ、どっちも合うのはどれ?」と選択肢を一緒に見比べます。●3つには「形はまるのままだね、変わってないよ」、★3つには「数は3つで合っているけど、まるは星じゃなくてしかくに変わる約束だったね」と、外れの理由もその場で言葉にすると、二つの条件を両方満たす感覚が身につきます。
正解できたら「形のきまりと数のきまり、両方ちゃんと見つけられたね」と、結果よりも二つを確かめた手順をほめてあげてください。おはじきや折り紙の丸と四角を使って、実際に「まる3つを四角3つに置きかえる」動きを手でやってみせると理解がいっそう定着します。慣れてきたら、形のペアを▲→★や◆→●に変えたお手本を作って出すと、「数は変えずに形だけ変える」という同じ考え方を別の形で繰り返し練習でき、お子さんの自信につながります。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 形の弁別・規則の抽出
- 教え方のコツ: 「お手本でまるはなにに変わった?」と形にフォーカスして確認
- ステップアップ: 形を▲→★、◆→●など別ペアに変えてみる