位置の移動「いったり きたり」
もんだい
きつねさんが 「みぎに 3つ、うえに 2つ、ひだりに 4つ、したに 1つ」 うごいたら どこ?
この問題の図: 7×7のグリッドで右左・上下の折り返しを含む4回の指示を追う高度な位置の問題です。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
左から3番目・上から3番目のます(3列目・3行目)
かいせつ(おうちのかたへ)
右と左、上と下の「折り返し」を含む問題です。途中で方向が反対に切り替わるため、今どこに居るかを頭の中で追い続ける必要があります。ワーキングメモリが鍛えられます。
- 開始: 4列目・4行目(まんなか)
- みぎに3つ → 7列目(右端)
- うえに2つ → 2行目
- ひだりに4つ → 3列目
- したに1つ → 3行目
- 到着: 3列目・3行目
出題背景と育つ力
この問題は、小学校受験の「位置・位置の移動」のなかでも難度の高いタイプです。多くの学校では「右に〇つ、上に〇つ」と一方向ずつ進む基本問題から出題されますが、この問題のように途中で右から左へ、上から下へと方向が反対に切り替わる「折り返し」が入ると、一気に頭の中の負担が増えます。きつねさんは7×7のますの真ん中(4列目・4行目)から、右に3つで右端へ行き、そこから上に2つ、今度は反対の左に4つ、最後に下に1つと、4回の指示をたどって3列目・3行目に到着します。一つでも数え間違えたり、方向の切り替えに気づかなかったりすると、ゴールがずれてしまう構成です。
この出題で育つのは、聞いた指示を順番どおりに保ち続けるワーキングメモリと、右左・上下を瞬時に切り替える方向の理解です。とくに「今は右に動いている、でも次は反対の左だ」と頭の中で位置を更新し続ける力は、後の算数の文章題や地図の読み取り、左右をともなう指示の理解にもつながっていきます。耳で聞いた複数の条件を、見えない盤面の上で正確に動かす練習として、とても価値のある一問です。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、方向が反対に切り替わる場面で「右」のつもりのまま左に進むべきところを、また右へ動かしてしまうことです。この問題では「みぎに3つ」のあとに「ひだりに4つ」が来ます。右端まで行ってからの折り返しなので、ここで右にもう一度動かそうとすると、そもそも盤からはみ出してしまいます。子どもが手を止めたり、首をかしげたりしたら、まさにこの切り替えで迷っているサインです。
次に多いのが、マスの数え方のずれです。「右に3つ」を、今いるマスを1と数え始めてしまい、本来の到着地点より1つ手前で止まってしまうパターンです。年中から年長の時期は、数を唱えることと、実際に動いた回数を一致させることがまだ難しく、出発のマスを「ゼロ」として、動いた先を「1、2、3」と数える感覚が身についていないことが原因です。この問題は移動が4回もあるため、最初の1マスのずれが最後まで響いて、答えが大きくずれてしまいます。
もう一つは、指示が4つもあることで、3つ目や4つ目になると最初の方を忘れてしまう記憶の負担です。これはこの年齢では自然なことで、決して理解が足りないわけではありません。「右に3つ」まではできても、「左に4つ、下に1つ」と続くうちに、今どこにいたかが曖昧になります。指示の数を一度に全部覚えようとするより、一手ずつ確実に動かして位置を確定させていく進め方が、この子の発達段階には合っています。
家庭での声かけ例
まずは指でなぞらせてあげてください。きつねさんのいる真ん中のマスに指を置いて、「みぎに、いち、に、さん」と、お子さんと一緒に声に出しながら一マスずつ動かします。3つ動いて右端に着いたら、「ぴったり端っこまで来たね。ここでもう右には行けないね」と、盤の縁を指でなぞって見せてあげると、次が反対向きになることが自然に伝わります。折り返しの直前で一度立ち止まらせるのが、この問題のいちばんの声かけポイントです。
方向が切り替わる場面では、「さっきは右に進んだね。今度は反対、どっちかな」と問いかけて、お子さん自身に「左」と言わせてあげてください。大人が答えを言ってしまうより、自分の口で「反対は左」と確認できると、右左の切り替えが記憶に残ります。「うえに2つ」のあと「したに1つ」でも同じように、「上に行ったから、今度は反対の下だね」と、上下の折り返しにも同じ言葉を使うと、子どもの中で右左と上下が同じ仕組みだと整理されていきます。
慣れてきたら、4つの指示を一度に聞かせるのではなく、「右に3つ」だけ言って動かし、止まったところで「次は上に2つ」と一つずつ渡してあげてください。一手ごとに位置が確定するので、記憶の負担が減り、最後の3列目・3行目までたどり着けます。すらすら解けるようになったら、ぜひ盤を見ずに耳だけで聞いて、頭の中できつねさんを動かす遊びに挑戦させてあげてください。それがそのまま、本番の試験で求められる力につながっていきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 方向感覚・折り返しの理解・ワーキングメモリ
- 教え方のコツ: 指でなぞりながら「いま右、次は反対の左」と声に出して確認
- ステップアップ: 指示を耳だけで聞いて(見ずに)解く問題へ