地図の移動「みぎに 2つ、うえに 2つ」
もんだい
うさぎさんが みぎに 2つ いって、つぎに うえに 2つ いくと どこに つくかな?
この問題の図: 2つの区画を右に進み、続けて上に2つ進んで着く場所を当てる経路追跡問題です。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
ケーキやさん(みぎうえの たてもの)
かいせつ(おうちのかたへ)
2手順の経路を頭の中で追う問題です。「右に2つ進む」で位置が変わったあと、その新しい位置を起点に「上に2つ」を追加する、という連続した動きの理解を養います。
- スタート: ひだりした
- みぎに 2つ → みぎした
- うえに 2つ → みぎうえ(ケーキやさん)
出題背景と育つ力
「地図上の移動」は、小学校受験の位置・空間分野でくり返し出されるタイプで、与えられた指示どおりに地図の上を進み、たどり着いた場所を答える問題です。この問題では3×3の地図に、うさぎさんのスタート地点(ひだりした)と、まわりに木・噴水・学校・ケーキやさんといった目印が置かれています。「みぎに2つ、うえに2つ」という二段階の指示を、指示された順番のまま、正しい方向と正しい数だけ進めるかが問われます。実際の試験では、口頭で読み上げられた指示を聞き取り、その場で頭の中に道順を思い描いて答えることが多く、聞く力と空間をたどる力の両方が試されます。
育つのは、聞いた指示を順番どおりに保ちながら一手ずつ実行していくワーキングメモリと、上下左右の方向感覚です。とくにこの問題は「右に進んで位置が変わったあと、その新しい場所を起点にして今度は上に進む」という、起点が動くことの理解が核になります。最初のひだりしたのまま2回目の指示を考えてしまうと答えがずれてしまうため、進むたびに自分の今いる場所を更新していく感覚が身につきます。これは後の「地図上の移動」の長い経路問題や、位置の記憶問題にもつながる土台の力です。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、方向と数のどちらかを取りちがえることです。「みぎに2つ」のつもりが1つしか動かずに止まってしまったり、勢いで3つ進んでしまったりします。年中から年長の時期は、数を数えながら同時に方向もたどるという二つのことを同時に進めるのがまだ難しく、片方に気を取られるともう片方があいまいになりがちです。この問題ではマスが3つしかないので、「みぎに2つ」進むとちょうど右はしにぴったり着く形になっています。指で押さえてマスの切れ目を1つずつ数えると、行きすぎや止まりすぎを防げます。
次に多いのが、二段階目で起点をもどしてしまうつまずきです。「みぎに2つ」進んだあと、頭の中でついスタートのひだりしたに戻り、そこから「うえに2つ」を考えてしまうと、左上の木のところを答えてしまいます。今回の正解がケーキやさん(みぎうえ)で、まちがえやすい選択肢に木が並んでいるのは、まさにこの戻り間違いを見分けるためです。動いたあとの場所をそのまま次の出発点にする、という感覚がまだ育っていないお子さんによく起こります。
もう一つは、上下の方向そのものの混乱です。「うえ」を画面の手前(自分に近い側)と思ってしまい、本当は上に進むところを下に進んでしまうことがあります。地図を自分の正面に置いて見るときと、机に寝かせて見るときで「うえ」の指す向きが入れかわって感じられるのも、この年齢ではよくあることです。紙の上のどちらが「うえ」かを最初にいっしょに確認しておくと、こうした取りちがえがぐっと減ります。
家庭での声かけ例
まずは指を使って一手ずつ進めましょう。うさぎさんのいるひだりしたのマスにお子さんの指を置いてもらい、「みぎは どっちかな?指さしてみて」と方向を先に確認します。そのうえで「いち、に、と2つ動かしてみよう」と、数えながらいっしょに右へ動かします。右はしにぴったり着いたら、「いま うさぎさんは どこにいる?」と一度手を止めて、今いる場所を声に出して言ってもらうのが大切な区切りです。
ここでいちばん効くのが、二段階目に入る前の声かけです。「つぎは、いま いる ここから うえに 2つだよ。スタートには もどらないよ」と、新しい出発点が今の場所であることをはっきり伝えてあげてください。お子さんが左上の木を指さしたら、しかるのではなく「あれ、もどっちゃったかな?いま うさぎさんが いるのは どこだった?」とやさしく問い直すと、自分で気づいて直す力がつきます。上に2つ進んでケーキやさんに着いたら、「みぎうえの ケーキやさんに ついたね」と、たどり着いた場所を目印の名前でいっしょに言葉にしてあげましょう。
慣れてきたら、紙から手を離して目だけで追ってみる、あるいは「もし みぎに2つ、つぎに したに2つ だったら どこかな?」とこの地図のまま指示を変えて出してみると、聞いて思い描く力が伸びます。日々のお散歩でも「つぎの かどを みぎ、その つぎを うえ(まっすぐ)」のように、実際の道で同じ言い方をしてみると、地図の上の動きと体の動きがつながって、方向感覚がぐっと定着していきます。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 経路追跡・連続した動きのワーキングメモリ
- 教え方のコツ: 指で1手ずつ動かし、「いまどこ?」と確認しながら進む
- ステップアップ: 3手順以上の経路問題へ