まほうの はこ — 3つの はこを じゅんに とおる
もんだい
おてほんの ように、🍇を 3つ あか・あお・みどりの はこの じゅんに とおすと、いくつに なりますか。
この問題の図: あか・あお・みどりの 3種類の はこの きまりを それぞれ お手本から 読み取り、🍇 3つが 3箱を 通って 何個に なるかを 答える 問題。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
ぶどう いつつ(🍇🍇🍇🍇🍇)
かいせつ(おうちのかたへ)
3種類のきまりを別々にお手本で示し(赤=+2、青=−1、緑=+1)、本問では3個から「3→5→4→5」と3段階で追跡します。
混乱を防ぐため、紙に「3」と書いて → 赤箱を通ったらいくつ? → 5に書き直して青箱を通ったらいくつ? … と1段ずつ書き換えながら追わせるのが効果的。途中の数を覚えていられない場合は、指で1段ずつ押さえながら声に出す方法もおすすめです。
出題背景と育つ力
魔法の箱は、小学校受験の推理分野で「目に見えないきまりを、お手本から自分で見つけ出す」力を試す代表的な出題です。この問題が特に難しいのは、箱が赤・青・緑の3種類あり、しかもそれぞれのきまりが「赤は2つ増える」「青は1つ減る」「緑は1つ増える」とバラバラなところ。お手本では1種類ずつしか示されないので、子どもは3つのお手本を別々に読み取り、それを頭の中に同時に持っておかなければなりません。本問では🍇を3個から出発して、赤→青→緑の順に通すと3→5→4→5と変化し、答えはぶどう5つになります。
ここで育つのは、ひとつの作業の結果を次の作業の入り口に引き継いでいく多段階の追跡力です。赤で増えた数をそのまま青の出発点にし、青で減った数を緑の出発点にする、というバトンの受け渡しが何度も求められます。これは算数の筆算や文章題で「途中の答えを使って次へ進む」感覚そのものであり、就学後の学習の土台になります。きまりが増減でバラバラな分、ひとつずつ正確に処理して順番通りにつなぐ集中力と、途中の数を見失わないワーキングメモリが同時に鍛えられる、密度の濃い一問です。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、3種類のきまりが頭の中で混ざってしまうことです。赤は2つ増えるのに、青や緑のきまりと取り違えて「赤も1つだけ増やす」と処理したり、青の「1つ減る」を見落として増やし続けたりします。年中から年長の子は、複数のルールを同時に覚えておく力がまだ育ちきっていないため、3つ目の緑にたどり着く頃には最初の赤のきまりを忘れている、ということが自然に起こります。お手本を一度見ただけで全部覚えるのは、この年齢には荷が重いのです。
次に多いのが、途中の数を覚えていられず、最後の数だけで答えてしまうつまずきです。本問は3→5→4→5と数が上がったり下がったりするので、5になった後にうっかり4に下がる青の段階を飛ばすと、答えが6や7になりがちです。選択肢に4・6・7が並んでいるのは、まさにこの「1段飛ばし」や「途中の増減の取り違え」を見抜くためのものです。指で押さえず暗算だけで追おうとする子ほど、この罠にかかりやすくなります。
もうひとつ、お手本の入る数と本問の入る数が違うことに気づかないつまずきもあります。緑のお手本は1個が2個になる例ですが、本問の緑には青を通った後の4個が入ります。「お手本では2個だったから答えも2個」と、きまり(1つ増える)ではなく結果の数をそのまま覚えてしまう子がいます。大切なのは出てきた数そのものではなく、いくつ増えた・減ったという変化の量だ、という理解がまだ曖昧なサインです。
家庭での声かけ例
まずは3つのきまりを、お子さんの口から言葉にしてもらいましょう。お手本を一緒に見ながら「赤い箱を通ったらいくつになった?」「1個が3個だね、いくつ増えたかな?」と問いかけ、「赤は2つ増える」「青は1つ減る」「緑は1つ増える」と、お子さん自身に三つの呪文のように声に出させます。この「増えた・減った」を言葉にできた時点で、半分は解けたようなものです。きまりを覚えるのではなく、その場で言い直せるようにしておくのがコツです。
次に、紙に大きく「3」と書いてあげてください。「赤い箱に入ります、いくつ増える?」「2つだね、じゃあ3といくつで?」と一段ずつ進め、5になったら横に「5」と書き直します。続けて「青い箱、青は減るんだったね、1つ減ると?」と聞いて4を書き、最後に緑で5を書く。こうして3→5→4→5と数を並べて見せると、途中で下がる青の段階を飛ばさずに済みます。暗算で追わせず、必ず指で今の箱を押さえながら声に出して進めるのが、この難しさの問題では特に有効です。
最後に、答えが出たらおはじきやぶどうの絵で確かめ合いっこをしてみてください。「ほんとに5個になるか、一緒に置いてみよう」と実物で再現すると、増減の感覚が体に残ります。慣れてきたら「赤と青の順番を入れ替えたら、答えは変わるかな?」と投げかけてみてください。順番を変えると途中の数が変わる体験は、お子さんにとって大きな発見になり、きまりを順番通りに正確につなぐことの意味が腑に落ちます。できた時はぜひ、最後まで数を見失わなかった粘り強さをほめてあげてください。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 多段階の追跡力・ワーキングメモリ
- 教え方のコツ: 各段階の途中結果を声に出させる/紙に書き留める
- ステップアップ: 箱の順番を入れ替えて、答えが同じか変わるかを試す