鏡像グリッド「3×3 3しょく」
もんだい
ひだりの かたちを かがみに うつすと、どう みえるかな?
この問題の図: 9マスに白・黒・灰の円が並ぶ3×3グリッドの鏡像を選ぶ高難度問題です。 図を見て、下の選択肢から答えを選んでください(音声で問題文を聞くには「よみあげ」ボタン)。
こたえ
各段が左右反転した ならび(くろ・はい・しろ → しろ・はい・くろ、など)
かいせつ(おうちのかたへ)
3×3の9マスに3色の円が並ぶ高難度問題です。1段ずつ「左右反転」を頭の中で実行し、それを3段重ねるという集中力が問われます。
- 上段: 黒・灰・白 → 白・灰・黒
- 中段: 白・黒・灰 → 灰・黒・白
- 下段: 灰・白・黒 → 黒・白・灰
- 中央列の色(灰・黒・白)は鏡軸上なので位置は変わらず色だけ確認
出題背景と育つ力
鏡図形・鏡映像は、小学校受験の推理分野で定番の出題タイプです。鏡に映したり、紙の裏側から透かして見たりしたときに、形や色の並びがどう変わるかを問われます。多くの学校では、生き物や乗り物の左右が反転する絵で出題されますが、この問題のように9マスのグリッドに白・黒・灰の3色の円を並べた形式は、その中でもかなり高度な部類に入ります。実際の試験でも、難関校では模様やマス目を鏡に映す出題があり、ペーパーだけでなく口頭試問で「これを鏡に映したらどうなる?」と問われることもあります。
この問題で育つのは、頭の中で図形を左右に反転させる心的回転の力と、それを上段・中段・下段の3列ぶん同時に保持しながら処理する力です。この問題は1色や2色ではなく3色、しかも3段すべて色の並びが違うため、「左右をひっくり返す」というルールを正確に当てはめながら、9マスぶんの情報を取りこぼさずに見比べる集中力が求められます。鏡に映すと左右だけが入れ替わり、上下や色そのものは変わらないという原理を体で理解できると、後の対称図形や四方観察にもつながる土台が育ちます。
よくあるつまずき
一番多いつまずきは、左右の反転と上下の反転を混同してしまうことです。鏡に映すと変わるのは左右だけなのですが、年中から年長のお子さんは「ひっくり返す」という言葉から、上下までさかさまにしてしまうことがあります。この問題の選択肢にも、上段と下段を入れ替えたようなまぎらわしいものが混ざっているため、上下はそのまま、左右だけが入れ替わると意識できないと、もっともらしい間違いの選択肢を選んでしまいます。
次に多いのが、中央の列を見落とすつまずきです。この問題では中央の縦一列、上から灰・黒・白の3つが鏡の軸のちょうど真上にあたるため、左右に動かず位置が変わりません。お子さんは「全部のマスが動く」と思い込みやすく、動かないはずの真ん中まで入れ替えてしまうことがあります。中央列はその場で色だけ確かめればよい、という見方ができると正解に近づきます。
そして、3色9マスという情報量の多さそのものも壁になります。この時期の子は、一度に2つか3つの要素までは比べられても、9マスを一気に照合するのは負担が大きく、途中で集中が切れて勘で選んでしまいがちです。間違えたときは、お子さんが反転のルールを分かっていないのか、それとも分かっているけれど最後まで見比べる根気が続かなかったのかを見分けてあげると、次の声かけが変わってきます。
家庭での声かけ例
まずは9マスを一度に見せず、1段ずつに区切ってあげてください。お子さんの指やカードで下の2段を隠し、上段の黒・灰・白だけを見せて「この3つを鏡に映すと、どっちの色が右にくるかな?」と問いかけます。黒・灰・白が、白・灰・黒の順にひっくり返ると一緒に確かめられたら、次は中段、その次は下段と進めていきます。一段ずつ成功体験を積むことで、9マスのかたまりが急に解きやすくなります。
鏡に映すときの感覚は、言葉だけより実物で示すと一気に伝わります。問題の絵のとなりに小さな手鏡を立てて、本当に左右が入れ替わって見えることを目で確認させてあげてください。そのうえで「左にあった黒は、鏡の中では右にお引っ越しするね」「でも真ん中の色はその場にいるままだね」と、左右だけが動いて中央列は動かないことを言葉にして添えると、この問題のいちばん大事なポイントがすっと入ります。
選択肢を選ぶときは、いきなり全体を見比べず、まず一段の並びだけで答えを絞る手順を教えてあげましょう。「上の段が白・灰・黒になっているのはどれ?」と一段ぶんの条件で選択肢を見ていくと、上下が入れ替わっただけのまぎらわしい選択肢を落とせます。正解できたら「ちゃんと左右だけひっくり返せたね」と、何ができたのかを具体的にほめてあげてください。できた理由を言葉にしてあげることが、次のもっと難しい問題へ向かう自信につながります。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 多要素同時処理・集中力
- 教え方のコツ: 1段ずつ指で隠して順番に確認
- ステップアップ: 形状を加えた3×3問題へ