まえから見ると どう見える?(てまえと おく に つみき)
もんだい
つみきを まえから 見ると、どう見える かな?
こたえ
ひだり手まえに 2だん、まんなか おくに 3だん の シルエット
かいせつ(おうちのかたへ)
3×3の床の上に、手前の左に2段、奥の中央に3段のつみきが積まれています。
前から見ると、左の2段は手前のままの位置・中央の3段はその後ろに重なって見えます。前から見えるシルエットは「左下に2段の高まり」と「中央上に3段の高まり」が組み合わさった形になります。
複数の積み木の前後関係を読み解く、上級の四方観察です。
出題背景と育つ力
四方観察は、机の上に置いた積み木を「前から」「横から」「上から」見たときにどんな形に見えるかを答える、小学校受験の推理分野では定番の出題です。なかでもこの問題のように、手前と奥にバラバラの高さの積み木が置かれ、それを正面から見たシルエットを選ぶタイプは上級にあたります。この問題では、3×3の床のうち手前の左に2段、奥の中央に3段が積まれていて、正面から見ると左下に2段の高まりと中央に3段の高まりが並んだ形になります。実際の試験でも、複数のかたまりの前後関係を頭の中で整理し、正しい絵を選ぶ形で問われます。
ここで育つのは、立体を別の視点に置きかえて思い浮かべる空間認識の力です。自分が今いる場所ではなく、正面という決まった位置から見たらどう映るかを想像することは、見えている世界を一度頭の中で組み直す作業にあたります。さらにこの問題では、手前の2段と奥の3段という高さの違うものが重なって見える点がポイントで、奥のものが手前のものより背が高ければ、奥にあってもちゃんと見える、という奥行きと高さの関係まで考える力が育ちます。図形の重なりや立体の理解につながる、思考力の土台になる単元です。
よくあるつまずき
いちばん多いつまずきは、奥の3段を「奥にあるから見えない、または小さく見える」と思い込んでしまうことです。正面から見ると、奥の中央の積み木は手前の左の積み木とは横の位置がずれているので、ちゃんと3段ぶんの高さで見えます。年中から年長のお子さんは、近くのものが大きく遠くのものが小さく見えるという日常の感覚に引っぱられがちで、奥のものを低く描いた選択肢を選んでしまうことがあります。この問題の正解は左が2段・中央が3段ですが、左右の高さを逆にした絵や、中央を2段にした絵を選ぶ間違いがよく起こります。
次に多いのが、左右が混乱してしまうつまずきです。この問題では手前の積み木は左側にありますが、正面から見たシルエットでも左下に高まりが来ます。ところがお子さんによっては、上から見た図と正面から見た図を頭の中で混同して、左右を反転させて捉えてしまうことがあります。鏡のように左右が入れかわった選択肢を選んでしまう場合は、まだ「どこから見ているか」という視点が定まっていないサインです。
三つ目は、高さの数え間違いです。正面のシルエットは下から1段ずつ積み上がった形で表されますが、2段と3段の差は見た目では1段ぶんしかなく、急いで見ると同じ高さに見えてしまいます。一つひとつのマスが何段あるかを下からていねいに数える習慣がまだ身についていないと、ここでつまずきます。この段差を正しく読み取れるかどうかが、この問題の難しさの中心です。
家庭での声かけ例
まずは実物の積み木を使って、問題と同じ形を作ってみることをおすすめします。机の上に手前の左へ2個、その斜め奥の中央へ3個を積み上げ、お子さんの正面にその列が向くように置いてあげてください。そのうえで「正面に座って、目の高さからのぞいてごらん。低いお山と高いお山、どっちが右にある?」と声をかけると、左に低い2段、中央に高い3段という形が体で分かります。絵だけで考えるより、実物を目の高さで見る経験が四方観察の理解を一気に進めます。
次に、見えたかたまりを一つずつ言葉にしてもらいましょう。「左に見えるお山は何段かな」「真ん中のお山は何段かな」と順番に尋ね、お子さんが「左は2段、真ん中は3段」と答えられたら、その通りの絵を選択肢から探す流れにします。奥の3段が手前の2段より高いから、奥にあってもちゃんと見えるんだね、と一緒に確認してあげると、奥行きと高さの関係がすっと腑に落ちます。間違えても否定せず、もう一度実物を正面から見て、絵と見くらべる時間を取ってあげてください。
慣れてきたら、同じ積み木を横や上からものぞいて、「前から見たときと形がちがうね」と見え方の変化を楽しむ声かけをしてみてください。視点が変わると見える形も変わるという発見そのものが、この単元のいちばんの学びです。正解できたときには「奥のお山が見えるって気づけたのがすごいね」と、考え方のどこが良かったかを具体的にほめてあげると、次の問題にも自信を持って取り組めるようになります。
れんしゅうのポイント
- 身につく力: 複数の立体物の重なりを正面投影で読み取る力
- 教え方のコツ: 1段ずつ「この層には何個のつみきがあるか」を一緒に数える
- ステップアップ: 同じ形を別方向から見たシルエットを比較する問題へ