記憶
記憶問題で身につく力
記憶問題は、集中して聞く力(傾聴力)・短期記憶・要点の整理力を測るジャンルです。小学校受験で出題される記憶は、単なる暗記とは違い、「お話を聞いて場面を頭の中に再現する」「絵を見て後から再現する」といった、思い出すための整理を含んだ高度な認知活動です。
特にお話の記憶は、全国の難関校で必ず出題されるといっても過言ではない最重要分野です。家庭での読み聞かせの量と質が、ここで明確に差を生みます。
どんな問題が出るのか
記憶ジャンルの中心は、読まれたお話の内容を後から答える「お話の記憶」です。受験では出題校・出題形式を問わず、必ずと言っていいほど登場する分野です。
これに加えて、絵を見せられた後で何がどこにあったかを答える「位置の記憶」、見せられた絵の数を後から答える「数の記憶」も、記憶ジャンルの代表的な出題形式です。位置の記憶は方眼に並べられた絵を覚える形が多く、数の記憶は短時間見せられた絵の数を答える形が一般的です。
当サイトでは、まずお話の記憶の問題を中心に公開しており、位置の記憶・数の記憶については今後追加していきます。
学年別の取り組み方
年中〜年長前半
読み聞かせを毎日継続することが最優先です。読んだ後に「お話の中に何が出てきた?」と1〜2個聞いてみる程度で十分。記憶問題のためというより、聞く姿勢を作る段階だと考えてください。
年長前半〜中盤
短いお話の記憶(200字程度)から始めます。「だれが・いつ・どこで・何をした」の4要素を意識して聞き取る練習を。読んだ直後に質問するのではなく、少し時間を空ける(30秒〜1分)と本番に近い形になります。
年長後半
長いお話(500〜800字)・複雑な登場人物・時系列の入れ替わりといった応用へ。難関校では「3人の子どもがそれぞれ違う色の服を着ていて…」のように属性の組み合わせを覚える必要が出てきます。メモを取れない条件下で覚える訓練をします。
つまずきやすいポイントと対策
お話を最後まで集中して聞けないお子さまには、短いお話から始めて徐々に長くするのが基本です。読み聞かせ前に「最後にどんなお話だったか教えてね」と予告しておくと意識が向きます。
登場人物が混乱する場合は、名前と特徴を結びつけるコツを教えます(「赤い帽子のたろう君」「黄色い傘のはなこちゃん」)。耳で聞いて頭に絵を描く習慣を作りましょう。
数の記憶で曖昧になるときは、3個より多くの数を覚える際、頭の中で塊(2と1、2と2など)に分けて記憶する練習が有効です。
位置の記憶で「真ん中」「端」が言えないお子さまには、9マス・16マスの方眼に慣れるところから。位置の言葉(左上・真ん中・右下)が即答できることが前提です。
家庭での教え方のコツ
読み聞かせは最低5分/日が目安です。短くても毎日続けることが力になります。同じ本の繰り返しでも問題ありません。
読んだ後に「今のお話に何が出てきた?」「だれが何をした?」をリラックスした雰囲気で問いかけてみてください。テストのように追い込まないことがポイントです。
「目を閉じて思い出す」遊びも効果的です。食卓の上のものを見せて、目をつぶって「何があった?」を答える遊び。記憶のコツを楽しく身につけられます。
メモなしの伝言ゲームも記憶力に効きます。「お父さんに、夜ご飯はカレーで、デザートにメロンが出るって伝えて」のような伝言で、聞いて覚えて再生する経験を積ませてください。
出題でよく問われるパターン
お話の記憶は、いくつかの定番質問パターンがあります。
- 登場人物に関する質問: 「主人公の名前は?」「何人で出かけた?」
- 行動に関する質問: 「最初に何をした?」「どこに行った?」
- 物の数・色・形に関する質問: 「何個買った?」「何色の服を着ていた?」
- 時系列の質問: 「最初にしたのは?」「最後にしたのは?」
- 理由・気持ちの質問: 「なぜそうしたか?」「そのときどんな気持ちだった?」
事前に問われそうなポイントを意識しながら聞く力(メタ認知)が、記憶問題の上達には欠かせません。
関連ジャンルとの繋がり
記憶は言葉(語彙力)に強く依存します。語彙が乏しいと、聞いた内容を頭の中で像にする段階で躓きます。また、位置の記憶は位置・空間・図形・模写とも関連します。読み聞かせを毎日続けることが、記憶問題対策として最も効率的かつ確実な方法です。
ジャンル
難易度
種類